格安スマホはやめとけと言われる理由
大手キャリアと比較して、しばしば格安スマホ(格安SIM)は批判の対象にもなります。「格安スマホはやめとけ」と言われる理由には以下のような項目が挙げられます。
キャリアメールやLINEのID検索が使えない場合も
格安スマホでは大手キャリアのメールアドレス(@docomo.ne.jpなど)が使えません。意外かもしれませんが、たとえばahamoでもドコモのキャリアメールは別途手続きしないと使用できません。
いままで使っていたキャリアの解約時、もしくは解約から30日以内に「メール持ち運びサービス」を契約し、月額料金を払って使う必要があります。
キャリア別のサービス内容と月額料金は以下の通り。
キャリア | 月額料金 (税込) | 条件 |
---|---|---|
ドコモ | 330円 | 回線契約にもとづいて発行されたdアカウントのIDを持っていること |
ソフトバンク | 330円 | 持ち運びたいメールサービスを利用されていた回線契約のSoftBank IDを持っていること |
au | 330円 | au回線契約にもとづいて発行されたauIDを持っていること |
キャリアメールを使うためだけに月330円を支払う必要があるのは大きなデメリット。さらにメールアドレスの変更はできません。
また格安SIMでは、LINEの年齢確認ができないため、ID検索機能が利用できないことがほとんど。新しくユーザーを友だちにしたい場合は別の方法を使う必要があります。
端末の選択肢が限られることも
格安SIMでも端末の販売をしているキャリアは多くあります。しかし、種類が限られている上、在庫状況に限りがある場合も。
また、LINEMOなど、そもそも端末販売をしていないキャリアもあります。
口座振替に対応していないキャリアがある
格安SIMでは支払い方法や初期設定に制限があることもあります。
キャリアの場合、請求書払いやモバイルバンキング払いなどが可能。一方、格安SIMの場合、支払い方法はクレジットカードか口座振替のみの場合がほとんど。また、初期設定は自分で行わなければならないことも。店頭で申し込みやサポートを受けられるキャリアはごく少数です。
MVNOは通信速度が不安定でつながりにくいことも
MVNOは大手キャリアから借りた回線帯域を提供する仕組み。なおかつ借りた回線帯域は、多数のユーザーでシェアされます。そのため、エリアや時間帯によっては通信速度が不安定になりやすいのは事実。とくに混雑した場所や夜の時間は繋がりにくくなることがあります。
【実機検証】格安スマホは本当に繋がらないの?混雑している場所で測定
筆者は2017年から格安スマホを利用し、特に普段使いで「繋がらない」と感じたことはありません。
とはいえたとえば「お盆の新幹線」や「東京駅」、また「夏フェス会場」といったただでさえ繋がりにくい箇所でハードに速度計測を行ったことはありませんでした。そこで今回はせっかくなので、上記の3通りで速度を計測しました。
結論としては「夏フェス会場のような過酷な環境でなければ、格安スマホで十分に繋がる」というものでした。実際の測定結果をご紹介します。
使用した格安SIMと端末
筆者が契約しているのはmineo(Aプラン)。端末はPixel 6aを利用しています。なお、速度を計測するにあたり、インターネット通信速度の計測サービス「Fast.com」を利用しました。
通常時の上り/下り速度
通常時(在宅時)の速度は、下りが140Mbps、上りが8.4Mbpsでした。
東京駅での上り/下り速度
お盆休み真っ只中の東京駅で計測してみた結果、下りが9.3Mbps、上りが18Mbpsでした。
新幹線車内での上り/下り速度
新幹線の中で速度を計測したところ、下りが27Mbps、上りが14Mbpsでした。東京駅よりは早いものの、自宅よりは繋がりにくいという結果でした。
ロックフェスでの上り/下り速度
筆者はお盆中、蘇我で開催されるロックフェスに行く機会がありました。せっかくなので入場時の待機列で計測を実施。結果は下りが2.1Mbps、上りが24Mbpsという、もっとも低い数値になりました。
総じてmineoでの検証結果としては、夏フェスのような過酷な環境でなければ「お盆の東京駅でも快適に使える」という結果でした。格安スマホが「特段繋がりにくい」ということはなく、混雑している百貨店でも快適にQRコード決済も使えました。
そのため「繋がりにくさ」を理由に、格安スマホを選ばないのはちょっと勿体ないかもしれないなという印象です。