三菱エクリプスクロスPHEV 価格/386万3200〜465万800円 試乗記

【新世代スポーツ研究】エクリプスクロスPHEVには、WRCとダカール・ラリーを極めたメーカーのこだわりが宿っている!
(画像=三菱エクリプスクロスPHEV・P。三菱独自の4輪自在制御S-AWC搭載。走行モードはエコ/ノーマル/スノー/グラベル/ターマックの5種を設定。走りはスムーズ&スポーティ、『CAR and DRIVER』より引用)

ドライバーがあくまで主人公。コントローラブルな性格が素晴らしい!

世の中これだけSUVが増えてくると、個性を際立たせたクルマが目立つようになってきますよね。もちろん、走り味をウリにしたSUVもたくさん登場しています。
SUVの場合、「スポーツの定義はどこにあるのか?」と問う方がいらっしゃるかもしれません。新世代スポーツって、なにも絶対的速さだけではないと思うんです。個人的には、本来SUVが得意とするフィールドで、いかに思ったように操れるかが、「気持ち昂るポイント」ではないかと思っています。

【新世代スポーツ研究】エクリプスクロスPHEVには、WRCとダカール・ラリーを極めたメーカーのこだわりが宿っている!
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【新世代スポーツ研究】エクリプスクロスPHEVには、WRCとダカール・ラリーを極めたメーカーのこだわりが宿っている!
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

その点でいうと、やっぱりWRC(世界ラリー選手権)とダカール・ラリーを戦ってきたメーカーはスゴイ! 上下左右さまざまに絡み合った3次元の動きを極限状態でコントロールしながら、ドライバーは思ったとおりに操れる。これが三菱SUV軍団の真骨頂です。

昨今のクルマは、どんなメーカーでも電子デバイスでコントロールしている部分があります。それをどの方向に使うかがブランドの色になっているように思います。三菱のクルマは「あくまでも主役はドライバー。意のままに操れるように後押しはするけれど、それをコントロールするのは乗り手。電子デバイスは最後の最後でサポートする」という思いが明確に表れています。

たとえばズルリと滑ったとしても、ある程度まで滑らせてドライバーにコントロールの余地を持たせ、これじゃマズイとなったら助けるといった感じでしょうか。そういう意味での実力は、エクリプスクロスPHEVよりも、最新設計のアウトランダーPHEVのほうが頭ひとつ抜きん出ているようにも思えます。
ところがあるとき、三菱車の走り味を開発してきたレジェンドドライバーの増岡浩氏が「そうはいってもね、実は本気で走らせるとエクリプスクロスPHEVのほうが速いんだよ。軽いし、空力もいいし」と、おっしゃっていたんです。

【新世代スポーツ研究】エクリプスクロスPHEVには、WRCとダカール・ラリーを極めたメーカーのこだわりが宿っている!
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【新世代スポーツ研究】エクリプスクロスPHEVには、WRCとダカール・ラリーを極めたメーカーのこだわりが宿っている!
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

どんなに電子デバイスが高性能化しても、クルマはやはり重量が軽いほうが、動的性能に絶対有利に作用するということは明白。加速/減速/タイヤへの負担など、どれを取っても軽いほうがプラスをもたらします。アウトランダーPHEVの車重は2110kg(P)、対してエクリプスクロスPHEVは、190kg軽い1920kg(P)です。
そのうえデザイン的に空力がいい。走行中の抵抗は空気抵抗がいちばん大きいとよくいわれますが、まさにそれ。トータルで見ると、エクリプスクロスPHEVのほうが気持ち昂る、というわけなんです。

まずは基本性能のよさがあり、そこにプラスして新時代のデバイスを、徹底的にドライバーの能力を引き出す方向で使っているのが三菱のSUV。物は使いようという言葉がありますが、三菱は新技術をドライバーを主人公にする方向で活用しています。だからこそ、SUVならではの気持ち昂る走りができているのだと思います。エクリプスクロスPHEVを改めて見直すと、凛々しさが際立ちます。