クラウド録画サービス「Safie」を提供するセーフィー株式会社(以下、セーフィー社)は、風力発電設備の建設現場となる沿岸部において「遠隔臨場」を実現する実証試験を行いました。

安定した通信環境下での「遠隔臨場」が求められる現場

国内の産業では慢性的な人材不足が進行するなか、建設業や製造業だけでなくあらゆる「現場」を持つ業種にて、ウェアラブルカメラやWeb会議システムを活用した遠隔臨場が進んでいます。

遠隔臨場は現場監督員の「移動時間の削減」における作業効率向上に寄与するだけでなく、熟練者や教育者が本社にいながら各現場の様子をチェックし、複数のスタッフに指示出しやアドバイスができるようになるため、効率的な人材教育・育成の実施も適えています。

一方、トンネル内や沿岸部、山間部などの通信環境がもともと悪い場所では、ウェアラブルカメラやWeb会議システムを安定した品質で利用できない可能性も。

安定した通信環境のなかで「遠隔臨場」を実施するため、現場ではシステム設定の見直しや新たなネットワーク環境の構築など、さまざまな工夫が求められています。

そこで今回、セーフィー社は通信環境が不安定なエリアにて安定的なネットワーク環境を構築し、クラウドカメラの活用を通して風力発電設備の据付業務や大型部品運搬時の現地調査などをリアルタイムに遠隔からサポートすることを目的に、実証試験を実施しました。

安定した通信環境、映像のリアルタイム確認を実現

2023年5月23日~6月7日の期間に行われた今回の実証試験では、セーフィー社開発のウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2」「Safie Pocket2 Plus」、衛星通信「Starlink」アンテナおよびルーター、屋外向けメッシュWi-Fiルーター「PCWL-0410(PicoCELA)」を活用しました。

衛星アンテナの設置時に、遮蔽物の有無を確認して少ないところを選定するという取り組みでは、LTE通信が行き届いていない沿岸部においても、「Starlink」稼働用の電源を確保するだけでスピーディーにインターネット接続できるネットワークの構築を実現。

これにより、安定した通信環境でウェアラブルクラウドカメラ2台の映像をリアルタイムで確認できたといいます。

また、現場でのウェアラブルクラウドカメラの活用場所に合わせて、ルーターを設置する位置を変更するという取り組みも実施。

その結果、事務所エリアや風車建設作業エリアなどインターネット通信が必要な場所が変わった場合にも、フレキシブルに安定したネットワーク環境を構築できたとのことです。