ヴィリャヴィセンシオ氏を殺害したのはCJNG配下のギャング

ヴィリャヴィセンシオ氏も他の議員らと同様にギャングから脅迫されていた。彼が選挙公約として挙げていたのは、刑務所の安全性を高めて刑務所内での犯罪を取り締まる、港を軍隊の配下に置いて麻薬の密輸を防ぐ、カルテルに対抗すべく特殊部隊を創設するといったことだ。これらの公約がギャングを刺激して彼を殺害する計画が進められたのである。

ヴィリャヴィセンシオ氏は現在ベルギーに亡命しているラファエル・コレア元大統領の汚職を徹底して追跡した人物で、コレア氏からも恨まれている。一方当人のヴィリャヴィセンシオ氏は侮辱罪で18カ月の禁固刑を言い渡されたが、それに服することなくペルーに亡命したという経歴を持っている人物でもあった。

ヴィリャヴィセンシオ氏を殺害したのはCJNGの配下のロス・ロボスがビデオを使って明らかにした。しかし、この点で矛盾するのは、同氏はCJNGのライバルであるSINALOAから脅迫されていると殺害される数日前に明らかにしていた。ロス・ロボスはSINALOAではなくCJNGの配下にあるギャングだ。彼を殺害した理由は彼がカルテルから資金を受け取っておりながら約束事を守らなったからだと言っている。ヴィリャヴィセンシオ氏はカルテルから資金の提供を受けていたのであろうか? この点もまた不明である。

現在のエクアドルでは警察など公的治安関係者や法に従事している判事らもカルテルから資金が提供されているのである。その規模がどこまで浸透しているかは不明であるが、全ての公的システムが腐敗している。だからエクアドル政府の安全対策について米国が資金を提供を渋っている。支援してもそれが果たして有効に作用するか疑問視しているからだ。

8月20日が大統領選挙の投票日だ。現在予測でトップに位置しているのが反米主義者のラファエル・コレア元大統領が支援しているルイサ・ゴンサレス候補者である。彼女が大統領に成ればエクアドルはまた左派系の大統領が誕生することになる。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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