人と自然が織りなす里山の風景に寄り添いながら、ゆっくりと心を満たしていくような休日を。
長野県と山梨県の境に近い小さな集落に、世界的建築家である藤森照信(ふじもり てるのぶ)さんが手掛けた一棟貸し宿、「小泊Fuji(こどまり ふじ)」が誕生した。宿泊予約は、公式サイトにて受付中だ。
コンセプトは「いのちの中で呼吸する」
天へと続く美しい山並みと伸びやかに広がる田園。南アルプスや八ヶ岳、富士山を望む、4,000平米の高台に誕生した小さな宿は、「自然との調和」をテーマとする“藤森建築”の美学にあふれている。
コンセプトは「いのちの中で呼吸する」。銅板の屋根には富士桜の木が植えられ、外壁を焼杉の板で覆うなど、藤森さんならではの感性が随所に発揮されている。
ちなみに、屋根に貼る手曲げの銅板や外壁の焼杉は、クラウドファンディングのリターンとしてワークショップを行い、延べ150人の協力を得て作り上げたという。「建築は誰にでも関われるところがあるから面白い」とは、藤森さんの言葉だ。
暖炉を備えたリビング&長屋風につながるベッドルーム
63平米のこじんまりとした客室は、壁を漆喰、床や家具などはクリの材で仕上げられ、穏やかでくつろいだ空気感を演出する。
暖炉を備えたリビングは、開放的なウッドデッキやロフトへと行き来できるメインスペースとして機能。ベッドルームを長屋風につなげた設計は、実にユニークだ。
さらに宿泊者専用のパントリーストアも併設し、地元の食品や地酒などを購入することも可能に。その他、環境に配慮したアメニティやオリジナルのルームウェアなども備え、“過不足のない滞在”をサポートする。
藤森建築に関われる「炭貼り体験」も
藤森建築の特徴のひとつは、漆喰の天井に炭を貼る意匠にある。今回は宿泊記念として、ベッドルームの天井に小さなピースを貼りつける「炭貼り体験」を用意し、約1年かけて仕上げていくという(2024年8月までを予定・希望者のみ)。
同体験で藤森建築に関われば、「小泊Fuji」への愛着が増すことだろう。
小泊Fuji
所在地:長野県諏訪郡富士見町(プライベート施設につき詳細は非公開)
定員:5名(1日1組限定)
宿泊料金:66,000円~(一棟基本料金/季節変動あり)+1名につき8,800円
(zlatan)
※価格はすべて税込