「参与」は動詞としての意味と名詞としての意味を持つ言葉です。
動詞としてなら特定の事業や計画に携わることを意味します。
名詞としてなら特定の立場や役職のことを意味します。
これらはそれぞれ使用する形で意味が変わる言葉です。

今回はそれら「参与」がどのような言葉なのかを解説します。
併せて似たような言葉との違いも説明するので、気になる方はぜひ参考にしていただけると幸いです。

動詞としての「参与」

「参与」とはどんな意味?企業におけるどんな役職であったり立場を指すの?
(画像=『FUNDO』より 引用)

まずは名詞としての「参与」について見ていきましょう。

「参与」の意味

動詞としての「参与」は事業・計画に関わることを意味します。
また、その相談を受ける意味で使用されることもあります。

これらは動詞として使用されることの多い言葉です。
特にビジネスの世界で使用されることが多いです。

「参与する」の形で用いるのが一般的

ちなみに「参与」は「参与する」のように使用します。
実際に事業や計画に関わることを「参与する」と表現します。

また、アドバイザーなどの人材を「参与」と呼ぶこともあるとか。
しかし、基本的に「参与」は動詞として「参与する」のように使用するのが一般的となります。

その場合、「参与」という立場や役職から事業や計画に関わることを意味することを覚えておきましょう。

組織における「参与」の立場や役割

「参与」とはどんな意味?企業におけるどんな役職であったり立場を指すの?
(画像=『FUNDO』より 引用)

次に名詞としての「参与」について見ていきましょう。

組織における「参与」

組織における「参与」は学識経験者を行政事務に参加させる際の職名を言います。

ただ、部長や課長などの職名ではなく待遇の役割を表します。
そのため、単なる役職とは一線を画す立場と言えるでしょう。
もちろん、そこは組織によって扱いも異なるため、一概には言えないのが難しいところです。

なお「参与」はかつて王政復古の大号令で置かれた官職なども意味していたのだとか。
要は古くから組織におけるアドバイザーのような立ち位置を「参与」と呼んでいたということです。

「参与」は部長より立場は上?下?どの位置に相当する??

一般企業における「参与」は経営幹部の側近として置かれます。
それでいて組織の業務管理が主な仕事とされています。
ただし「参与」は直接業務に携わることはありません。

客観的な立場で経営の助言や運営の補助をする立場にあります。
そのため、一般的な役職と違ってサポートという役割に近いです。
事実「参与」は専門知識によって特定業務を遂行するための役職となります。

そこは業務に参加するものの上司も部下も持ちません。
そのため、その立場は上とも下とも言えない状況にあるでしょう。

なお、会社によって参与は異なるので明確な序列はありません。
ただ、組織のトップクラスと同等の立場であることは間違いないでしょう。

実際に役職に就いていた人材が定年退職後にその能力を認められて会社に残る場合「参与」として任命することもあります。

「参与」の立場を英語にすると・・・

「参与」を英語単語で表現するなら「Counselor / Consultant」となります。

「Counselor」は相談役や相談相手を意味するのが特徴です。
「Consultant」も相談する人や相談相手を意味する言葉です。

どちらも顧問という意味が含まれています。
そういった意味ではアドバイザーに近い立場と言えるでしょう。

「顧問」との違い

「顧問」はある分野の専門的な知識や技術を活かして助言する役職のことを言います。

それら「顧問」は組織にとって重要な存在なものの経営に関する意思決定を行う権限などは持っていないのが一般的です。
対して「参与」はその権限を持つのが一般的となります。

それらの点が「顧問」と「参与」の違いと言えるでしょう。

「参事」との違い

「参事」はある特定の業務に対する実績や経験に長けた人が就く立場のことです。

それら「参事」は部長や課長などの相談役として活躍するのが一般的となります。
また、アドバイスだけでなく調査研究・資料作成なども行うのが一般的です。

これらは役割としては「参与」と同様ですが、職位的には「参与」より弱い立場にあると言えます。
それらの点が「参事」と「参与」の違いと言えるでしょう。