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長期間の政権を握って来た自民党が改革できない背景には、当選するには国全体の為というよりも地元の選挙地盤の利益につながる政治をしなければならないということだ。更に、政治献金をしてくれた企業や組織団体に対し、それを還元させた相応の政治をしなければならないということ。だから、国そして国民の為の政治は最後にするということになる。しかも、日本社会は伝統的に新しいことを導入するのに抵抗を示す傾向にある。
筆者が永住しているスペインだと各政党がそれぞれ選挙区の候補者のリストを作成して比例代表制で議員が選出されることになっており、候補者リストの筆頭に知名度の高い候補者を充てる。ということで、選挙民にとってそれ以外の候補者の名前にはあまり注目しない。
選ばれて議員になっても、当選した選挙地区への貢献というよりも、所属する政党の方針に従って政治活動をする傾向にある。したがって、国の為の政治改革もやり易い。勿論、利害が絡む場合は該当する議員に賄賂を提供されるということになる。また、最大野党も政権を取れる可能性を常にもっている。日本のように野党が単に存在しているという低いレベルではない。日本の野党は政権が取れる体制になっていない。単に政府を批判するための政党でしかない。