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腕次第では格上も追いかけ回せたヨーロピアンGT、「ベレG」
腕次第では格上も追いかけ回せたヨーロピアンGT、「ベレG」
一方、スカGがデビューした1964年5月より1ヶ月早い4月に発売され、第2回日本グランプリにも同じGT-IIクラスに出場していたのが、いすゞの「ベレG」ことベレット1600GT(PR90)。
英ルーツ・グループから生産権を買い、2代10年以上も生産したヒルマン・ミンクスの後継として1963年11月に発売された4ドアサルーンの「ベレット」ですが、4輪独立懸架サスペンションやラック・アンド・ピニオン式ステアリングなど最先端のメカニズムを搭載。
クラスとしてはトヨペット・コロナやダットサン・ブルーバードのライバルでしたが、クラウンなどに対抗する大型セダン「ベレル」の評判が好ましくなく、挽回が必要だったいすゞにとっては、相当に気合の入ったモデルでした。
1.3〜1.5リッター級、さらにいすゞらしく1.8リッターディーゼルも搭載した4ドアセダンのベレットに加え、1.6リッターOHVエンジンを積む2ドアクーペのスポーツモデル「ベレG」も投入。
いすゞ特有の低中速回転からトルクが立ち上がる実用性(戦闘力)の高いエンジン、軽量なモノコックボディのベレGは、同クラスのライバルで、パワフルなオープンスポーツとはいえラダーフレーム式で重いフェアレディ1500を上回る走行性能を発揮しました。
特徴的なのはダイアゴナル・スイングアクスル式のリアサスペンションで、荷重がかかれば、つまり踏んでさえいればトーイン傾向で安定したコーナリングが可能だったものの、途中でアクセルを抜き荷重が抜けると逆キャンバーになって破綻するというジャジャ馬。
後に3代目ジェミニの「ニシボリック・サスペンション」でも評価が非常に分かれたいすゞらしいメカニズムでしたが、アップダウンや厳しいコーナーが続くステージなら大排気量のハイパワー車も追える性能を持ち、腕自慢には好まれるマシンだったようです。
グランプリではパワー差もあってスカGに全くかなわなかった「ベレG」ですが、エンジンの改良や大排気量化化を経て1973年まで生産、その間に117クーペと同じDOHCエンジンを積むベレットGTXの市販型「ベレットGTR(GT typeR)」も1969年に発売。
同年にスカG(3代目)にも「スカイラインGT-R」が登場し、スカGとベレGは排気量や車格の差はあれど、同じように「R」の名も背負って活躍しました。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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