なでしこジャパン(女子日本代表)の選手たち 写真:Getty Images

 なでしこジャパン(女子日本代表)は今月11日、FIFA女子ワールドカップ準々決勝でスウェーデン代表に1-2と敗北。ベスト8で大会を後にしたが、改めて日本での女子サッカー人気や女子選手に対するフォーカスの仕方など課題が浮き彫りになっている。

 日本国内での女子サッカーに対する関心度は、2011年に澤穂希や丸山桂里奈らを擁した女子日本代表のW杯優勝により上昇。しかしなでしこフィーバーは一時的なものにしかすぎず、直近数年間は低迷。2021年の東京五輪でなでしこがベスト8止まりに終わると、五輪後に開幕したWEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)に対する注目度にも上昇の気配が見られない。

 それでも今年のW杯では、NHKでの中継もあり女子日本代表の躍進ぶりが話題に。グループリーグ3戦全勝により優勝も期待されたが、東京五輪と同じくスウェーデン代表にタイトルへの道を阻まれた。

 そんな中、WEリーグの髙田春奈チェアは女子サッカー人気回復への課題を指摘。ブラジルメディア『NINJA Esporte Clube』の報道によると、髙田氏はW杯開幕前に以下のようなコメントを残したという。

 「日本では女子選手の外見、容姿やかわいさばかりに注目される傾向が強いです。女子サッカーの競技力がどれだけ向上しても、(プレーをはじめ)試合の部分で人々の関心を集めるのは難しいです。日本社会に男女格差がそこまでなければ、女子サッカーももっと気軽に見られるようになると思います」

 W杯をはじめ国際大会が開催されるたびに、女子人気に関して様々な議論が繰り広げられる日本サッカー界。髙田チェアはメディア報道のあり方も含めて、日本社会を取り巻く環境の変化が必要だという認識を抱いているようだ。