やきものの街・愛知県瀬戸市。中世から現在までやきものづくりが続く「日本六古窯」のひとつであり、1000年以上の歴史を誇る日本屈指の生産地として知られる。
尾張瀬戸駅から徒歩8分の場所に9月7日(木)、新たなやきもの体験型複合施設「STUDIO894(スタジオ ヤクシ)」がオープンする。絵付け体験やアート鑑賞に加え、オリジナルコーヒーを楽しめるスポットだ。
体験と鑑賞を同時に楽しめる「STUDIO894」
「STUDIO894」は、「体験する」「鑑賞する」「憩う」をテーマにした複合施設だ。四季の移ろいと建物との一体感を重視してデザインされ、大きな窓からは庭を望める。
店内はワークショップスペースとコーヒースタンドが一体化したオープンな空間となっており、さまざまな人々が出会い、交流するスペースとなるように意図されている。
施設全体がコミュニケーションの場となることで街の賑わいを創出し、瀬戸のやきものの多様な魅力を体感できる空間を目指すという。
目玉となるのは「絵付けワークショップスペース」だ。
瀬戸のやきものの絵付け体験ができるワークショップを毎日開催。福を招くといわれる招き猫を中心に、開運や招福の季節飾りなどの素地に絵付けをし、世界にひとつだけのやきものづくりを体験できる。
また、職人から絵付け技法が学べるプログラムなどを定期開催し、瀬戸のやきものの魅力を幅広い世代に伝えていくという。
落ち着いた空間のギャラリーでは、やきものを中心に、さまざまなジャンルで活躍する国内外のアーティストの個展やプロジェクトの展示を毎月開催する。
こだわりのコーヒースタンドを併設している点もユニーク。
東京・三軒茶屋と広島を拠点にするコーヒーロースター「OBSCURA COFFEE ROASTERS(オブスキュラ コーヒー ロースターズ)」が、「STUDIO894」をイメージしてブレンドしたオリジナルコーヒーを提供する。使われるのは瀬戸の器だ。
また、江戸時代に瀬戸の陶工・加藤民吉が磁器の製法を学ぶために訪れ、その後もやきものを通じて縁の深い熊本県天草市から、人気の洋菓子店「SWEETS‐LABO BONGOUT(スイーツラボ ボングー)」の焼菓子が届く。
物販スタンドでは招き猫をはじめ、マグカップ、「OBSCURA COFFEE ROASTERS」オリジナルコーヒーなど「STUDIO894」限定アイテムを販売する。
運営するのは、1952年の創業以来「薬師窯」の窯銘で干支置物、招き猫など縁起置物や四季折々の季節飾りを手がけてきた陶磁器工芸メーカー・中外陶園社。
コーヒーの香りとともに、1000年の歴史をつむぐ伝統文化に親しめる体験施設の誕生だ。
STUDIO894(スタジオ ヤクシ)
開業日:9月7日(木)
所在地:愛知県瀬戸市薬師町1番地
営業時間:10:00~17:00(ワークショップ最終受付15:30/コーヒースタンド ラストオーダー16:30)
休業日:火曜日、年末年始
アクセス:<電車>名鉄瀬戸線 尾張瀬戸駅から徒歩8分、<車>東名高速道路「名古屋インター」から約30分、東海環状自動車道「せと赤津インター」から約5分、駐車場20台完備
(SAYA)