コンピューターが自動で資産を運用する「ロボアドバイザー」のサービスを提供するウェルスナビが2023年上半期で資産運用の考え方に最も影響したニュースについて調べたところ、「為替の動向」が半数近くに上ったことが分かりました。また、ニュースの影響を受けて「資産運用に関する行動を変えた」と答えた人のうち、4割が「資産運用にまわすお金を増やした」そうです。経済情勢が流動的な中、資産運用を模索する人々の姿が調査結果から浮かび上がってきます。
影響を与えたニュースは
調査では、2023年上半期のニュースを挙げて、資産運用の考えに影響を与えたニュースを複数回答でたずねたそうです。
回答全体のうち、最多となった回答は「為替の動向(円や米ドルの動きなど)」で47.7%に上りました。続いて、食費や光熱費など生活に身近な「物価の上昇」が41.0%。このほか、「米国株の動向」(40.6%)や「日本株の株価の上昇」(39.7%)、「2024年に開始する『新NISA』の動向」(38.0%)と続きました。
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資産運用で変えたことは
また、そうしたニュースに影響を受けたとする人を対象に「ニュースを見聞きしたことで、この半年間で資産運用に関して変えたこと」についても複数回答で質問したところ、「資産運用にまわすお金を増やした」とした人が最多の41.6%に上りました。
このほか「セミナーやWebサイトなどで資産運用に関する情報収集を増やした」や「NISA制度を活用し始めた」がそれぞれ15.3%、11.9%となりました。
一方で、ニュースは興味深く追いながらも、「特に何もしていない」という回答も39.4%となりました。
お金の不安、どう向き合う?
調査結果を受けて、同社執行役員の牛山史朗氏は「『為替の動向』や『物価の上昇』といったニュースは、将来のお金に対する不安を改めて感じるきっかけとなり、資産運用にまわすお金を増やしたり、情報収集を始めたりした方もいらっしゃったようです」と説明します。
為替環境が円安に振れる中、食品などの供給を輸入に頼る日本の場合、生活への影響も小さくありません。
牛山氏は「資産を預貯金だけでなく、世界中のさまざまな資産に分散して投資をしていれば、影響を減らすことができます。投資をうまく取り入れることは、お金の不安を減らすことにつながると考えられます」とアドバイスしています。
調査は7月7日から同17日までインターネットを介し、同社のサービス「WealthNavi」のユーザーを対象に実施。3,485人の有効回答数を得たそうです。