今年4月、火星のクレーターで発見された奇妙な突起物が波紋を広げている。まるで車輪のようなこの構造物は何なのか。
問題となっているのは火星のクレーターの1つである「ゲール」にある奇妙な形の岩。ゲールは火星にある乾燥した元湖で、直径154kmに及ぶ。35億年~38億年前に形成されたと考えられており、遠い過去に水が存在した痕跡があるとして、NASA(アメリカ航空宇宙局)は火星探査機キュリオシティをこのクレーターに送り込んでいた。
発見された奇妙な岩はトゲのような突起物が出ている車輪のような形状のもの。研究者らは「絶対的な確信を持って否定することはできない」として、UFO(※1)の部品である可能性を指摘している。
ただし、学術誌「Journal of Astrobiology」に掲載された論文の筆頭執筆者である英アストン大学のリチャード・アームストロング教授によると、この突起は地球で「サンドスパイク」として知られている、マグニチュード7以上の地震の際に現れる自然由来のものだと考えるのが最も合理的だという。
「何がスパイクやそれに関連する構造を引き起こすのかは定かではないが、証拠のバランスから、地球上では大きな地震活動の結果として形成される “サンドスパイク “の一種であることが示唆される。」(アームストロング教授)
しかし、今回発見された突起物には地球のサンドスパイクには無いいくつかの特徴もあるそうだ。たとえば、火星の突起物にはサンドスパイクのような球根のような形状がなく、一方、サンドスパイクには見られないノコギリ状の形が見られるという。
アームストロング教授はゲール・クレーターの別の場所でも車輪、車軸に見える物体が写っていることを指摘し、「地球由来、地球外由来の宇宙船の部品であることは完全には否定できない」としている。
するとUFO説が残るわけだが、「地球外起源については推測するしかない」(アームストロング教授)という。
とはいえ、UFOの存在が示唆されたのは大きな意味を持つだろう。古代火星文明説や火星生命についてトカナではその実在を訴え続けてきたが、これは科学の分野からは完全に排除されてきた。しかし、昨今米政府関係者の暴露により、宇宙人やUFO(UAP)の実在が以前にも増して真実味を帯び、また、米ハーバード大学のアヴィ・ローブ教授が、恒星間天体オウムアムアの出現に伴いUFOと地球外知的生命体について言及し続けていることなどもあり、科学界でも風向きが変わってきたのかもしれない。
(※1)UFO(Unidentified Flying Object:未確認飛行物体)は、説明のつかない航空現象をすべて含むが、現在は「宇宙人の乗り物」という意味で用いられることが多い。そのため、現在アメリカ軍では「宇宙人の乗り物」という意味合いが強くなったUFOに替えて、説明のつかない航空現象に対し、「UAP(Unidentified Aerial Phenomena:未確認航空現象)」という呼称を採用している。
参考:「The Telegraph」「Daily Mail」
文=S・マスカラス(TOCANA編集部)
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提供元・TOCANA
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