コーニッシュはスウェーデン・ストックホルムで2012年に設立された新鋭の腕時計ブランドだ。ブランドを立ち上げたニクラス・ロジャとフェリックス・ウィンクヴィストが時計愛好家であることから、自身がコレクションしている時計からインスピレーションを受けて時計を製作しており、代表モデルの“ヘリテージクロノグラフ”は、20世紀半ばに製造されていた古典的なクロノグラフの意匠からインスピレーションを得ている。今回、注目した“シエルノクターン(フランス語で“夜の空”を意味する)”は、このヘリテージクロノグラフをベースに製作された世界限定350本の特別なコレクションだ。
実はこのモデル、日本法人からスウェーデン本社に提案して生まれたという特別な背景をもつ。そして、最大の特徴となっているのが、10万円を切る手頃な価格でありながら、高級時計で採用される“アベンチュリンガラス(18世紀のベネチアに起源をもつとされる人造石の一種)”を文字盤に採用した点である。製作を開始する前にコーニッシュのユーザーに文字盤の素材に関するアンケートを実施し、圧倒的多数で支持を集めたのがアベンチュリンガラス文字盤だったそうなのだ。この選択が正しいものであったことは、完成された時計を見れば一目瞭然だろう。
基本的なデザインは既存のヘリテージクロノグラフをベースにしており、文字盤は二つのインダイアルを備えたツーカウンタークロノグラフを継承。インダイアルはアベンチュリンガラス文字盤をくり抜いて製作されており、ガラス質の文字盤に内包された酸化銅の極小の結晶が、夜空に輝く星を思わせる神秘的な輝きを放っている。インダイアルは文字盤と高低差を付け、同心円の装飾が施されているのだが、アベンチュリン文字盤と色合いを合わせつつ、視認性と美観を両立させているのが素晴らしい。また、アベンチュリンガラスの内部で煌めきを放つ銅の結晶は、偶発的に生じているという点にも注目しておきたい。文字盤の表情がすべて異なるため、コレクター心をくすぐる大きな魅力となっている。
CORNICHE(コーニッシュ)
ヘリテージ クロノグラフ シエル・ノクターン
フラッグシップコレクションであるヘリテージクロノグラフをベースに、日本発信で開発された世界限定350のスペシャルモデル。ブランド初となるアベンチュリンガラスを文字盤に採用しており、夜空を思わせるブルーの色合い、銅の結晶の煌めきが神秘的な美しさを際立たせている。SEIKO製のメカクォーツムーヴメント、Cal.VK64 を搭載。クォーツでありつつ文字盤中央に設置されたクロノグラフ針が機械式クロノグラフのように滑らかに動き、さらにリセットボタンを押すと一瞬でスタートに戻る仕様になっている。
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限定モデルならではの特別なディテールにも注目
ヘリテージクロノグラフのレギュラーコレクションではフランスの松の木がレリーフでデザインされているが、限定モデルでは日本の“盆栽”をモチーフにした特別なデザインを採用。アベンチュリンガラスの煌めきをイメージして、“盆栽”の周りに星がレイアウトされているのもポイントだ。
ベゼル、ミドルケース、裏ブタを別体で成形。シリアルナンバーを刻印した側面のプレートが所有欲を刺激する。
サイズは手首に程よく納まる39.5mm。厚さが11.5mm。ケース自体が程よいサイズ感なのに加え、やや長めのラグを手首に沿うようにカーブさせており装着感が良好だ。アベンチュリン文字盤が手首の動きに合わせて煌きを放ち、控えめだが、しっかりと個性を主張してくれる。
【問い合わせ先】
エイチエムエスウォッチストア表参道
TEL.03-6438-9321
文◎船平卓馬(編集部)
提供元・Watch LIFE NEWS
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