米証券取引委員会(SEC)は、「暗号資産証券の無登録募集」で10億ドルを集め、証券法に違反したとして、オンライン起業家のリチャード・ハート氏(本名:リチャード・シューラー)と本人が手がける暗号資産の3つの事業(Hex、PulseChain、PluseX)を提訴した。

SECはさらに、ハート氏は集めた暗号資産の一部を不正流用し、スポーツカーや時計、世界最大の555カラットのブラックダイヤモンド「エニグマ」などの贅沢品の購入に充てたと主張。連邦証券法の詐欺防止規定に違反したとしている。

発表によると、ハート氏は2018年頃からイーサリアムトークンのHexを初めての高利回りの「ブロックチェーンのCD(譲渡性預金)」として売り込み、投資家を「リッチ」にするためにデザインされたトークンだと宣伝し始めた。

2019年12月から2020年11月にかけて、ハート氏とHexは「無登録募集」を行い、230万イーサリアムを集めたが、これには「ハート氏が密かにHexトークンのコントロールを可能とする”リサイクル”取引」が含まれていたとしている。

ハート氏はさらに、2021年から2022年3月の間にも「暗号資産証券の無登録募集」を2回行ったほか、Hexトークンに「ストーキング」フィーチャーと呼ぶ機能を設計し、最大で38%のリターンが得られるなどと売り込んでいた。