2023年8月6日に開催される『2023 FIM世界耐久選手権 ”コカ·コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第44回大会』。通称〝8耐〟。
ロードレース好きはもちろんのこと、バイク好きなら一度は現地で観戦することをオススメしたい、長く熱い最高の8時間を共有できる夏のバイクイベントだ。
8耐は2023年で44回を数え、これまでにいくつものドラマを産んできた。
カワサキ乗りなら2019年の優勝は記憶に新しいところ。
トップグループで激しいバトルを繰り広げ、トップを走行していたカワサキ。レース終了まで残り2分でカワサキの勝利を誰もが確信していたその時、まさかの転倒……。
これにより、レースは赤旗(レース中断を意味するフラッグ)が振られ終了。実は、この転倒は少し前に他車がエンジンブローし路面上にオイルが流出したことによるものであったのだ。
トラブル時のレース運営等に関しカワサキの抗議が受け入れられ、26年ぶりとなるカワサキの優勝が確定した。
2023年の8耐にカワサキのファクトリーチームは参戦しないが、2022年に発足した「Kawasaki Plaza Racing Team」がグリーンカラーを背負って戦うことになっている。
この「Kawasaki Plaza Racing Team」を支えているのが、日本を代表する工具メーカー・KTCの製品なのだ。

世界で認められている両ブランドの共通点
世界中にファンを持つカワサキと同様に、高いクオリティでサンデーメカニックからプロまで愛用者の多いKTC。
この両者の製品はともに剛健質朴。カワサキが技術やパフォーマンスに重点を置いた製品をリリースしファンを獲得しているのと同様に、KTCも品質と作業効率に焦点を当てた製品から、絶大なる信頼を獲得している。
だから、「Kawasaki Plaza Racing Team」がKTCの工具を選んだのは自然な流れだったともいえよう。

プロメカニックが使うKTCの工具は、一般ユーザーが購入できる製品だった!?

プロメカニックが使う工具というと、専門に作られたスペシャル仕様だろうと思いがち。
しかし、KTCの工具は一般ユーザーが使うものも、プロメカニックが使うものも実は同じなのだ。
ちなみに8耐は参戦クラスが設けられており、FIM世界耐久選手権の一つとして開催され、そのレギュレーションに沿ったスペシャルマシンで戦う『EWC』と、改造範囲の狭い『NST』の二種類がある。「Kawasaki Plaza Racing Team」が今回参戦するのはNSTで、改造範囲が狭い=一般ユーザーの所有するマシンに近い。
8耐というスペシャルなレースにおいて、〝ユーザーが実際に手にできる〟という製品に関する共通点もあるのはなんとも興味深い。
「Kawasaki Plaza Racing Team」が使う工具はKTCがラインナップしている中でも上位に位置するneprosシリーズだ。
このneprosシリーズは鏡面仕上げで美しさと強さを兼ね備える高級ブランド。海外製工具にも負けずとも劣らないneprosは、観賞用に購入するユーザーもいるほどなのだ。