またバレアレス諸島は外人の在住者も多い。役場の職員がカタラン語でしか喋ってはいけないという義務もまたバカげている。

医師もカタラン語の習得から解放された

このような弊害を市民はこれまで8年間被って来たのである。だから、5月の地方統一選挙では市民がこれまでの不満を一挙に爆発させた。その影響で、バレアレス自治州や首府のパルマ市やそれに隣接したカルビア市などで政権が国民党とボックスによる連立政権に代わった。

そこで新政権が早速取り組んだのが、このカタラン語の義務化を廃止したのである。これからは公式書面はカタラン語とスペイン語が併記されることになり、また職員もスペイン語で市民との対話も可能となった。カタラン語に通じているのは一つのメリットだということにした。

勿論、公立病院でも医師や看護師のカタラン語での使用義務は廃止された。それによって、彼らが病院から去ることを食い止めるのに役立つはずだ。また、不足している専門医も他の自治州から雇用することも可能となる。

今回の例は、一つのことに執着した政治というのが如何に多大の弊害をもたらすかということを示した一例であろう。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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