「食べることもありますよ」も好回答か

――実生活で「なんで食べないのに釣りをするんですか?」とものすごく素朴そうな顔で聞かれて、私の中の胸中にわくのは以上のようなクサクサとした反社会的な気分だが、当然大人なので実際口に出してそんなことを語ることはない。うまいこと雰囲気を中和するために、「食べることもありますよ」とか、「食べられないほど釣れたときはなじみの居酒屋に持っていったり」という、なんというか、衝突を避けることを目的とした返事をする。

あるある質問「食べないのになぜ釣るの?」 ルアー釣り愛好家的オススメ回答例海に佇むだけで気分はいい(提供:TSURINEWSライター井上海生)

これは自分ながら好回答といえよう。そうすると「ああ、自分で釣った魚っておいしそうですもんね」と、相手が「ルアーフィッシングは下品」と思う最右翼でない限り、このへんで終わる。こないだ、えらい低活性の日に、とある港で話した年配の釣り人は、「今日はあかんけど、たまに竿が曲がるだけで面白いね」との、なんとも美しい一言を聞いた。釣りの腕が上がっても、こういう「心の鷹揚さ」という部分で私はまだまだ未熟者である。

「釣り」を毛嫌いする人もいる

しかし中には釣りを毛嫌いする人がいるのも事実だ。魚そのものにトラウマがあるか、生きている魚が怖いか(私の知人にはこれが多い)、頭つきの刺身がどうしてもダメとか、そういう理由だ。また個人的な性格の根本からしてまさしく毛嫌いする人もいる。

それでなくても釣り人は「マナーを守らない」と海辺のご近所さんでは迷惑者扱いされてしまったりする。場を汚さず礼儀正しい釣りをすることで、釣り人は一丁前の意見を言えるのだ。

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<井上海生/TSURINEWSライター>

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