ハラスメント(いやがらせ行為)はさまざまな類型や種類にわけられ、「モラハラ」「セクハラ」「パワハラ」のように日常的にもちいられる言葉となっています。しかし、いざそれぞれの意味について聞かれたときに、はっきりと答えることができるでしょうか。そこで、本記事では「モラハラ」、モラルハラスメントについて「パワハラ(パワーハラスメント)」と比較しながら、正しい意味を説明します。
「モラハラ」の正しい意味はどれ?
①倫理や道徳に反している、精神的に苦痛を与える行為、もしくは就業環境を悪化させる行為
②職務上の地位や立場を利用して苦痛を与える行為、もしくは就業環境を悪化させる行為
③物理的な暴力
答えは…
「モラハラ」とは、倫理や道徳に反している、精神的に苦痛を与える行為、もしくは就業環境を悪化させる行為を指します。
解説
「モラルハラスメント」に使われている「モラル」という言葉は、「人が生活するうえで守るべき社会的な基準や模範」という意味を持ちます。どの世代にも共通する「良い悪いを判断する基準」と考えるとわかりやすいかもしれません。
②「職務上の地位や立場を利用して苦痛を与える行為、もしくは就業環境を悪化させる行為は「職場におけるパワハラ」の意味です。
③「物理的な暴力」は、身体に対する不法な攻撃や、生命や身体に危害をおよぼす行為を指します。
「モラハラ」と「パワハラ」の違いとは?
精神的な攻撃、たとえば特定の人物へ心ない言葉を投げかけたり、無視したりする行為が、モラハラとして挙げられます。モラハラは、「モラル」すなわち独特や倫理に反した言葉や態度、身振りなどによって人を支配したり、人格や尊厳を傷つけるなどの精神的ないやがらせを指し、物理的な暴力は含みません。
一方で、パワハラは精神的な攻撃だけではなく、暴行や障害など身体的な攻撃が含まれます。
また、仕事・職場での優越的な上下関係を利用したいやがらせ行為を指し、家族や友人などの近しい関係性のなかで暴力をともなうハラスメントが見受けられた場合は「DV(ドメスティックバイオレンス)」と呼ばれます。
厚生労働省|ドメスティック・バイオレンス / DV
厚生労働省|ハラスメントの定義