C大阪に加わった2選手
FW渡邉りょう
FW加藤の移籍もあり、7月23日に藤枝MYFCからC大阪へ加わったFW渡邉りょうにかかる期待は大きい。プロ入り後5シーズンをJ3(アスルクラロ沼津、藤枝MYFC)で過ごしたストライカーであり、J2初挑戦となった今季、第27節終了時点で13得点を挙げた。これは、FWフアンマ・デルガド(V・ファーレン長崎)とFWエリキ(町田ゼルビア)の得点ランキングトップ記録(14得点)に次ぐJ3で3位の記録である。
なお、11得点で4位に続くのはFWピーター・ウタカ(ヴァンフォーレ甲府)とMFチアゴ・アウベス(モンテディオ山形)である。得点ランキング上位5人中4人が外国籍選手であることからも、渡邉の記録がいかに凄いかが分かる。
渡邉は第27節(7月22日)終了のここまで26試合(出場時間2,092分)に出場しており、シュート数(74本)、シュート成功率(17.6%)、得点数と合わせてシーズン半ばにして、いずれもキャリアハイを更新していた。武器はゴール前での冷静さと、強烈な右足でのシュート。動き出しの質も高まっており、それが得点の量産に繋がっていた。
MF新井晴樹
7月7日にJFLのティアモ枚方からC大阪に加わったMF新井晴樹は、異色の経歴の持ち主だ。2021年に国士舘大学から枚方へ加入し、その年の7月にC大阪へ期限付きで移籍している。翌2022年6月にクロアチア1部のHNKシベニクへ期限付き移籍し、2022/23シーズンは主力選手として35試合に出場し2得点の数字を残した。
そして、再びC大阪へ期限付きで加入。2回目となる枚方からのこの移籍は、枚方はもちろん各クラブからの期待の表れと言えるだろう。枚方では、抜群のスピードを持つ左サイドハーフとして活躍。シベニクでは左右のウイングバックや右サイドバックなど、様々なポジションで起用された。
C大阪では現在、左サイドハーフのレギュラーだったMF為田大貴が左膝外側半月板損傷で手術予定。過去にも大阪に所属していた新井がチームに馴染む時間は不要と見られ、すぐにもFWカピシャーバらとのポジション争いに挑むこととなるだろう。
戦力収支の結果はいかに?
出場さえすれば安定して得点に絡んでいたFW加藤の移籍は、C大阪にとって間違いなく痛手だろう。また、MF中原の喪失もMF層の薄さに繋がりそうだ。
一方でFW渡邉の獲得は得点力を補う的確な補強だといえる。ただし、J1での経験は0であり、加藤の穴を埋められるだけの活躍を見せられるかは未知数だ。
新井の再獲得を含めた手当てが最適であったか、今後のC大阪の順位変動に注目したい。