電動化への歩みを進めても、エンスー達の心を揺さぶる“軽量にして機敏”というアイデンティティに揺るぎなし。

英国の自動車メーカー「ケータハム」が、7月に開催された世界最高峰のモータースポーツイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023」にて、軽量EVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を世界初公開した。

同モデルの市販版は、2025年後半から2026年前半に投入される予定だ。

セブンの代わりではなく、セブンを補完する存在

今年で創立50周年を迎えた同メーカーは、車重440kgという超軽量2シーターオープン「セブン」を手掛けるスポーツカーメーカー。プロジェクトVは、同メーカー初のフル電動スポーツカーとなる。

電動化への未来を示唆する一方、ケータハム・カーズのCEOであるボブ・レイシュリー氏は、「プロジェクトVはセブンの代わりではなく、セブンを補完するもの」と明言。日本を含む世界中のセブンファンが、胸を撫でおろしていることだろう。

流麗にしてアグレッシブ。車重は1,190kgが目標

プロジェクトVのデザインは、流麗にしてアグレッシブ。ボディサイズは全長4,255×全幅1,893×全高1,226mmで、革新的なカーボンファイバーとアルミニウムの複合シャシーを採用し、車重1,190kgを目標に開発が進められている。

シートレイアウトは「2+1」が基本となり、オプションで「2+2」も用意。ドライバーオリエンテッドなコックピットには、電動パワステやデジタルメーター、スマホのミラーリング機能を備えたインフォテインメントシステムなどを採用する。

0-100km/h加速は4.5秒未満、最高速度は230km/h

パワートレーンは、最高出力272psのシングルモーターをリアアクスルに搭載。0-100km/h加速は4.5秒未満をマークし、最高速度は230km/hに達するという。

最大航続距離は、約400km(WLTPモード)。低重心にも寄与するバッテリーパックへの充電は、DC急速充電器を使えば、20%から80%までの充電が15分程度で完了する。

EVの利点を活かした室内空間やクーペボディを採用することで、休日の朝のスプリントだけでなく、買い物や通勤にも使いやすい「プロジェクトV」。市販版のデビューはまだ少し先の未来だが、その存在は頭の片隅に残しておくといいだろう。

(zlatan)