藤原奏哉(アルビレックス新潟)
2018年に阪南大学からギラヴァンツ北九州に加入したMF藤原奏哉も、近年手放したことが惜しまれる選手の1人だろう。2021年にアルビレックス新潟へ移籍して以降2シーズンは、J2でほぼ全試合に出場。昨2022シーズンは4ゴールを挙げて、新潟のJ2優勝と6年ぶりのJ1昇格に大きく貢献した。
今季もそのまま新潟に在籍し、自身初となるJ1でプレーしているわけだが、右サイドバックを主戦場に堂々としたプレーを随所に見せている。特に際立つ活躍を見せたのが、第4節の川崎フロンターレ戦。J1でも屈指のサイドアタッカーの1人、FWマルシーニョを完全に封じ込めるほどの高い対応力を見せた。
北九州時代はJ1昇格に迫った2020シーズンに中盤戦以降不動の右サイドバックとして躍動。チームは前半戦ほど勝ち星を挙げられなかったが、その中でもプロ初ゴールを含む3ゴール2アシストと結果を残し、上位に踏みとどまる原動力となっていた。170cmと小柄ながら、強靭なフィジカルで高い守備の貢献度を誇る藤原。攻撃でも積極的に前に出る姿勢を見せ、今季ここまでは2アシストとJ1の舞台でも通用することを示している。
攻守でチームに貢献できる藤原の姿は、J3で苦境に立たされている北九州から見ると、今一番頼りたい存在と言えるのではないだろうか。
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河野貴志(ブラウブリッツ秋田)
昨2022シーズンまでギラヴァンツ北九州の守備の要として活躍していたDF河野貴志。今季はJ2のブラウブリッツ秋田へ完全移籍し、ファジアーノ岡山から期限付き移籍中のDF阿部海大とともにゴール前に強固な壁を形成している。
現在、秋田はJ2で14位。開幕から6戦無敗を果たした序盤戦の勢いは落ちてきているものの、失点数28は上位勢と比較しても全く引けを取らない数字である。もちろん1人の活躍だけで成し得た数字ではないが、河野が果たしている役割は大きいと言えよう。
186cm、85kgという恵まれた体格を武器に、空中戦の強さが大きな魅力。守備ではもちろん、攻撃でもセットプレーのターゲットとして期待が持てる。実際、今季の河野はロングスローではあるがヘディングでの得点をマークしており、セットプレーからの得点が多い北九州にとって、河野のような選手がいれば、さらにチャンスを活かせているのではと想像してしまう。
今季ここまでの北九州は、失点数では他チームと比較しても大崩れはしていない。しかし、得点数に目を向けるとリーグで2番目に少ない16ゴールにとどまっている。この現状を考慮すれば、得点力の高いFWの補強も望まれる一方、さらに失点数を抑えることも、勝ち点を1ずつを積み上げることに繋がるだろう。
守備の安定と攻撃チャンスを活かせる存在として、河野の帰還を望む声が多く聞こえるのも当然の状況と言えよう。