この10年でカジュアルウオッチ界でも様々な外装素材が用いられるようになった。以前では高級時計に限られたチタン、カボーン、セラミックなどを使った腕時計が、今日手頃な価格でも楽しめるようになっているのだ。なかでも広く普及したのがチタンである。実はチタンが時計業界で使われはじめたのは、1970年代と約50年も前。軽く、金属アレルギーも起こりにくいなど、時計素材として優れた特性をもち注目されたが、一方で加工が難しいうえにマットな質感で高級感を演出しにくいなどの理由から長く普及しなかった。

しかし、近年はグレード2と呼ばれる純チタンに加え、比較的加工が容易なグレード5と呼ばれるチタン合金などが用いられるようになり、採用するブランドが一気に増えた。後者であれば、ステンレススチールとほぼ遜色ない質感に仕上げることも可能なため、高級時計でも積極的に採用されている。

カジュアルウオッチに用いられるのは圧倒的にグレード2だが、加工技術の進化もあって品質は以前より向上した。なおこの分野のリーディングカンパニーがシチズンである。同社は1970年に世界初のチタンウオッチを発表して以降、技術を磨き続け、今日大きなアドバンテージを得ている。ポピュラーな素材となったため見逃されがちだが、同社のチタンウオッチは価格に比してクオリティがかなり高いのだ。

今回は1万円台〜3万円台までの価格帯から、価格以上の魅力を備えたチタンウオッチを厳選してみた。いずれもコスとパフォーマンスに優れたモデルばかりなので、今夏に手頃な価格で使えるデイリーウオッチを探している人はぜひチェックしていただきたい。

【これはすごい、2万円台のフルチタンモデルも発見!?】コストパフォーマンスに優れた、チタンウオッチ5選
(画像=画像をクリックして拡大:写真はボッチア・チタニウムのケース。ケース素材に加えてブレスレット、さらにバックルまでも、純度99.0~99.7%のピュアチタニウムが採用されている。、『Watch LIFE NEWS』より 引用)

》チタンとは何か?

比重がステンレススチールの約60%と軽く、表面に酸化被膜を張っているため耐食性に優れ、金属アレルギーが起こりにくい。反面、純チタンは軟らかく粘りがあるため加工が難しい。加えてその独特な質感で高級感が演出しにくく、ドレスウオッチなどにはあまり向かないとして長く敬遠されていた。しかしそんなチタンも技術の向上によって質感を高められるようになった。

BOCCIA TITANIUM(ボッチア・チタニウム)
クラシックコレクション

ブランド名が示すとおり、ドイツのボッチア・チタニウムもチタンウオッチの製造に長けたブランドである。ピュアチタニウムを使用した高品質かつ軽量でストレスフリーな腕時計を、手の届きやすい価格で展開している。このクラシックコレクションも、信頼性の高い日本製の機械式ムーヴメントを搭載しながら、3万円台と手の届く価格に抑えている。

【これはすごい、2万円台のフルチタンモデルも発見!?】コストパフォーマンスに優れた、チタンウオッチ5選
(画像=画像をクリックして拡大、『Watch LIFE NEWS』より 引用)

■Ref.3653-02。チタンケース&ブレス。ケース径42 mm。10気圧防水。自動巻き(日本製)。公式オンラインストア限定。3万5200円

【問い合わせ先】

マーサインターナショナル
TEL.03-5541-0170


ZENO-WATCH(ゼノウォッチ)
クォーツ チタニウム

1922年にスイスのラ・ショー・ド・フォンにて商標登録され、現在はスイスの老舗時計メーカーとしてバーゼルに本社を置いているゼノウォッチ。大振りな夜光アラビアインデックスを配置したパイロットウオッチスタイルのデザインが印象的なチタンケース採用モデル。税込で1万9800円(2023年6月現在)という手頃な価格帯でありながら、チタンケース、サファイアガラス風防、10気圧防水と、デイリーユースに最適なスペックを確保。驚くべきコストパフォーマンスを実現している。

【これはすごい、2万円台のフルチタンモデルも発見!?】コストパフォーマンスに優れた、チタンウオッチ5選
(画像=画像をクリックして拡大、『Watch LIFE NEWS』より 引用)

■Ref.201-1-SW。TI(40mm径)。10気圧防水。クォーツ。1万9800円

【問い合わせ先】

ピークス
TEL.03-5778-3260

文◎船平卓馬(編集部)

提供元・Watch LIFE NEWS

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