ケータハムが新しい電気自動車クーペのコンセプトモデル「プロジェクトV」を発表。パワートレインには200kWを発生するリアマウントの電気モーターと総電力量55kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。市場への投入は2025年後半から2026年前半を予定

英国ケータハムカーズは2023年7月12日(現地時間)、新しい電気自動車クーペのコンセプトモデル「プロジェクトV」を発表した。

ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=▲英国のスポーツカーブランドのケータハムが新しいEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を発表、『CAR and DRIVER』より引用)

プロジェクトVはケータハムが英国のスポーツカーブランドとしての近未来を見据えた、全く新しいデザインランゲージを提示するコンセプトカーで、同社の新しいチーフデザイナーであるアンソニー・ジャナレリ氏が初めて一から手がけたケータハム車に位置する。電動パワートレインの搭載を前提に新進のクーペスタイルを構築し、既存のセブンシリーズとは一線を画すビジュアルだが、軽さやシンプルさ、そしてドライバーにフォーカスした体験というケータハムのコアバリューは、セブンシリーズと同様に堅持しているという。また、製作に関しては著名なエンジニアリング会社であるイタルデザイン社とパートナーシップを結び、イタリアのトリノ本社で今回のプロジェクトVを製作した。

ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=▲プロジェクトVのデザインはケータハムの新しいチーフデザイナーであるアンソニー・ジャナレリ氏が、製作はイタリアのエンジニアリング会社であるイタルデザイン社が手がけた、『CAR and DRIVER』より引用)

パワートレインは200kW(272ps)を発生するシングルモーターをリアマウントに、総電力量55kWhを確保したUSOCリチウムイオンバッテリーパックをフロア下に搭載して後輪を駆動。性能面では、0→62mph(約100km/h)加速が4.5秒未満、最高速度が143mph(約230km/h)を誇り、また一充電走行距離は欧州WLTPモードで249マイル(約400km)と公表する。充電については150kWのDC充電器に対応させ、約15分で20%から80%までの充電が可能だという。

ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=▲パワートレインは200kW(272ps)を発生するシングルモーターをリアマウントに、総電力量55kWhのUSOCリチウムイオンバッテリーパックをフロア下に搭載して後輪を駆動する、『CAR and DRIVER』より引用)

基本骨格に関しては、カーボンファイバー材およびアルミニウム材を効率的に組み合わせた複合シャシーと複合ボディワークで構成。シートレイアウトは2+1を基本とし、車重は1190kg未満を目標にしている。一方、懸架機構にはフルアジャスタブルジオメトリーの前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用。シューズには前235/35R19/後285/30R20サイズのミシュランPilot Sport 4Sタイヤと軽量アロイホイールを装着する。また、制動機構には高性能キャリパー付きディスクブレーキを、操舵機構には電動アシスト・パワーステアリングを組み込んだ。

ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=▲基本骨格はカーボンファイバー材とアルミニウム材を効率的に組み合わせた複合シャシーおよび複合ボディワークで構成、『CAR and DRIVER』より引用)
ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=▲シューズには前235/35R19/後285/30R20サイズのミシュランPilot Sport 4Sタイヤと軽量アロイホイールを装着、『CAR and DRIVER』より引用)

エクステリアについては、同社のセブンと同様、軽量かつシンプルなミニマリストデザインの哲学でスタイリングを構成する。チーフデザイナーであるジャナレリ氏曰く「セブンで培ったミニマリストのデザイン哲学をスポーツクーペのアーキテクチャーに適用し、魅惑的で時代を超越したシルエットを創り上げた」という。また、ケータハムのボブ・レイシュリーCEOは「より実用的なクーペのボディスタイルを採用し、さらにEVのパッケージングの利点を生かすことで、プロジェクトVは日曜日の朝のスプリントだけでなく、買い物や通学にも使用できる」とコメントしている。なお、プロジェクトVのボディサイズは全長4255×全幅1893×全高1226mm/ホイールベース2581mmに設定している。

ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=▲ケータハム・セブンと同様、軽量かつシンプルなミニマリストデザインの哲学でクーペスタイリングを構築する。ボディサイズは全長4255×全幅1893×全高1226mm/ホイールベース2581mmに設定。車重は1190kg未満を目標とする、『CAR and DRIVER』より引用)
ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=▲シャープな造形のLEDヘッドランプ内にCATERHAMのロゴを入れる、『CAR and DRIVER』より引用)
ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=▲上下2分割で楕円を描くLEDリアコンビネーションランプを配備、『CAR and DRIVER』より引用)
ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=▲リアフェンダー前部にデザインを担当したジャナレリ(JANNARELLY)氏のサインを入れる、『CAR and DRIVER』より引用)
ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=▲ジャナレリ氏のデザインスケッチ。「セブンで培ったミニマリストのデザイン哲学をスポーツクーペのアーキテクチャーに適用し、魅惑的で時代を超越したシルエットを創り上げた」という、『CAR and DRIVER』より引用)

内包するインテリアは、2+1のシートレイアウトを標準で、2+2をオプションで採用したうえで、乗降性を最適化し、かつ後席乗員の快適性を高めたキャビン空間を創出する。また、カーボンファイバーとアルカンタラで覆ったシンプルな造形のダッシュボードや、スマートフォンのミラーリング機能を備えるとともにドライバーにフォーカスしたインフォテインメントシステム、必要な情報を的確に表示するデジタルインストルメントクラスターなどを装備。ドライバーの好みや走行状況に応じてノーマル、スポーツ、スプリントという3モードから選択可能なドライビングモードセレクターも設定した。

ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=▲コクピットにはシンプルな造形のダッシュボードやスマートフォンのミラーリング機能を備えるとともにドライバーにフォーカスしたインフォテインメントシステム、必要な情報を的確に表示するデジタルインストルメントクラスターなどを装備、『CAR and DRIVER』より引用)
ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=▲シートレイアウトは2+1で構成。オプションで2+2を選択できる、『CAR and DRIVER』より引用)

なお、プロジェクトVの実車は先に公開された電気自動車セブンのための技術開発コンセプトモデル「EVセブン」とともに、本年7月13日(現地時間)に英国で催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのケータハムブースにおいて一般公開を果たす予定。また、市場への投入は2025年後半から2026年前半を計画し、価格帯は最低小売価格8万ポンド(約1440万円)未満からを目標に据えている。

ケータハムがEVクーペのコンセプトカー「プロジェクトV」を初披露
(画像=▲プロジェクトVは2025年後半から2026年前半に市場投入する予定。価格帯は最低小売価格8万ポンド(約1440万円)未満からを目標に据える、『CAR and DRIVER』より引用)

提供元・CAR and DRIVER

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