
ブランド性にふさわしい満足感。高い完成度にひかれる
メルセデス・ベンツC220dスターションワゴン・アバンギャルド 価格:9STC 736万5円
総合評価/75点
CDテストモード燃費/20.4km/リッター

SUVに押されがちでも、ミドルサイズのドイツ勢は堅調だ。中でもCクラスは人気が高い。C220dのパワーソースは、200ps/440Nmを発生する2リッター直4のディーゼルターボに、20psと208Nmを発生するISGが組み合わされている。つまりマイルドハイブリッド仕様だ。
走り出すと、加速の立ち上がりで一瞬わずかにカドを感じるが、要求したトルクを自在に生み出し扱いやすい。静粛性も印象的だ。ディーゼル音は、車内に入ったとたんに消滅。ほとんど気にならない。

ステアリングの操舵力はやや重め。切ったとおりに正確に応答するのはメルセデスらしい。近年Cクラスは「アジリティ(敏捷性、機敏さ)」を打ち出してしており、俊敏な回頭性が味わえる。気になったのは、ブレーキフィールだ。これまで乗った新型は、どれもブレーキ操作が難しい。減速度を自然にコントロールできず、「運転が下手」になってしまう。しかもクルマごとにクセや傾向が違う。


室内のデザインと機能は、最上級のSクラスと同等。質感もSクラスに匹敵する。大きな画面を並べた先進的なインパネは、幅広いユーザーに大きな訴求力がある。装備は充実。クラス初のアイテムを満載する。中でもARナビは非常に便利だ。進行方向周辺の状況がわかりやすく、ドライバーの死角になりそうな部分まで表示してくれる。歩行者を見落とす可能性が減るなど、安全性を高めるためにも役立つ。
室内は十分に広い。後席の居住性は、ホイールベースの拡大やパッケージングの進化で各部のクリアランスが増しており、従来よりも広く感じる。荷室も広くて使いやすい。
Brief Comment

メルセデスらしく、高い完成度を誇る。オーナーカーとして隙がない。課題はブレーキに関する項目で、なぜか従来型の最終モデルと比べても劣る。また、メルセデスの右ハンドル車に乗るたびに「何とかすべきではないか」と思うことが、右側コラムにあるシフトセレクターだ。メルセデスにしか乗らないというユーザーならよいが、ウインカーレバーが右にある日本車に乗る機会のあるドライバーは、誤操作に要注意だ。