無駄なことを何度も行うことを「屋上屋を架す(おくじょうおくをかす)」と言います。
これは屋上に屋根を重ねることを言ったことわざとなります。
しかし、そもそもこの言葉はどこから来たのでしょうか?
今回はそれら「屋上屋を架す」について解説します。
ここではその意味はもちろん成り立ちなども説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
「屋上屋を架す」とは

まずは「屋上屋を架す」の意味について見てみましょう。
「屋上屋を架す」の意味
「屋上屋を架す」とは無駄なことをすることの例えです。
「屋上」とはその言葉通り屋上を意味します。
「屋を架す」もそのまま屋根を架けることを意味します。
つまり、屋上に屋根を架けることを言った言葉となるわけです。
ただ、屋上に屋根を重ねたところで意味はありません。
そこから転じて何度も余計なことをすることを「屋上屋を架す」と表現するようになったそうです。
実際に無駄なことの例えとして使用されることが多いです。
「屋下に屋を架す」「屋上屋を重ねる」と表現されることもある
「屋上屋を架す」は「屋上屋を重ねる」とも表現されます。
他にも「屋上に屋を架す」「屋下に屋を架す」と表現されることもあります。
これらはどれも屋上に屋根を架けることを意味する表現です。
そのため、すべて同じ意味の言葉として使用して問題ありません。
ただし「念には念を入れる」という意味で使用するのは間違いです。
「屋上屋を架す」の由来

では「屋上屋を架す」はどこから来た言葉なのでしょうか。
ここからは「屋上屋を架す」の成り立ちを見ていきましょう。
劉義慶によってまとめられた「世説新語」における用いられ方
「屋上屋を架す」は劉義慶がまとめた「世説新語」で使用されている表現となっています。
これは中国で5世紀前半にまとめられた書物とされています。
それら「世説新語」の中に「此是屋下架屋耳」とあるとか。
その言葉が日本に伝わってきたと考えられています。
顔之推が著した「顔氏家訓」における用いられ方
「屋上屋を架す」は顔之推が書かれた「顔氏家訓」でも使用されている言葉となっています。
これは中国で6世紀後半に書かれた書物とされています。
それら「顔氏家訓」の中に「猶屋下架屋」とあるとか。
その表現が日本に伝わってきたと考えられています。