「エクスパット・インサイダースタディ2023」は、ミュンヘンの企業「インターネーションズ」が2014年から実施してきたもので、今年は10回目だ。今年の「エクスパット・インサイダースタディ2023」では、172の国から約1万2000人のエクスパットのデータが収集された。

国別比較ではなく、都市別の比較でも「世界で最も非友好的な都市」にウィーンは昨年選ばれている。特に外国人に対してウィーンの住民は拒絶的だとエクスパットたちは述べている。ただし、「生活の質」に関しては、ウィーンはここでもトップ10に位置している。

まとめると、ウィーンを含むオーストリアは生活の環境はトップクラスだが、そこに住む国民は世界で最も非友好的な人々だというわけだ。オーストリアを訪れる外国人旅行者はモーツァルトの生誕地やシューベルトの思い出の地などを訪れ、楽しい思い出をたくさん集めて帰国するが、その国に住む外国人労働者にとって、オーストリア人ほど非友好的な国民はないというのだ。オーストリア国民にとって、少々ショッキングな調査結果だ。

参考までに、「エクスパット・インサイダースタディ2023」でのオーストリア人に対する総合評価は「美しく孤独」(Schon einsam)だった。外面は美しく整っているが、そこに住む人間は外国人に対し少々冷たく、非友好的、そしてひょっとしたら孤独だというのだ。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年7月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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