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排気ガス規制により徐々に姿を消した

排気ガス規制により徐々に姿を消した

2ストロークエンジンとは?メリットやなぜなくなったのか解説
(画像=2代目 ジムニー(SJ30型),『MOBY』より 引用)

4ストロークエンジンの場合は、1行程ずつが別々であり、また吸排気バルブぞれぞれの高精度な制御が可能であることから、排気ガス対策が2ストロークよりも容易と言えます。一方、2ストロークは混合気の流入経路が複雑で、吸排気の出入り口は「孔」であるため、エンジン内での排気ガス対策が難しくなります。

クルマでは、1987年まで発売されていたジムニー(SJ30型)までは2ストロークエンジンが採用されていました。かつての軽自動車は360cc、550cc時代に2ストロークエンジンを使っていたのです。

しかし、1973年から始まった段階的な排気ガス規制により、CO(一酸化炭素)とHC(炭化水素)の低減に迫られました。

しかし、昭和53年に施行された昭和53年排ガス規制の達成目標は、360ccエンジンではほぼ不可能なものでした。そこで軽自動車規格が550ccに排気量アップされます。各社は様々な技術で有害物質低減に取り組みましたが、規制数値を達成できても実用性に乏しいエンジンとなるため、結果的には4サイクルエンジンに移行せざるを得なかったのです。

オートバイでは90年代まで2ストロークエンジンが使われていました。燃焼ガスの経路に電動の制御バルブを設けることで、排気タイミングを可変させるシステムなどで環境対策を図りましたが、結果的にはクルマと同じ結論に達し、すべての市販オートバイが4ストロークエンジンに転換されました。

現在でも草刈り機やブロワーなど作業機械に2サイクルエンジンが使われていますが、こちらも年々排ガス規制が厳しくなっており、電動化への転換が進んでいます。操るフィーリング、そのパワー感に魅力が詰まっている2ストロークエンジンですが、旧車を除けば、まさに絶滅種なのです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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