惣菜市場の一角に食い込もうとする戦略
持ち帰りの揚げ物惣菜に関しては、長らくスーパーの惣菜売り場がその独壇場でした。しかし近年、コンビニエンスストアやファミリーレストランなども続々とその市場に進出しています。
今回のKFCのキャンペーンは、まさにそういった「持ち帰って食卓の一品(=ご飯のおかず)にする」という惣菜市場の一角に食い込もうとする戦略なのではないかと思います。「カーネルクリスピー」は本来、フライドポテトと同様サイドデイッシュの位置付けですが、それは決して肉食民族とはいえない日本人には、感覚的に少し馴染まないところもあります。しかし、日本の天ぷらがモチーフとなっているだけに、「ご飯のおかず」としてなら、確かに食卓にしっくり馴染みそうです。キャンペーンサイトでは「天むす」へのアレンジレシピが公開されていますが、これはまさに「カーネルクリスピー」がご飯によく合うという点のアピールでしょう。
3ピースで400円というキャンペーン価格は、スーパーの価格帯が意識されたものなのではないかと思われます。同商品の品質であれば互角以上に戦えるでしょう。しかし定価に戻ってもなお競争力を維持し得るかは、何とも微妙なところと言わざるを得ません。
ただし、実はKFCには「カーネルクリスピー」以上に「ご飯によく合う」商品があります。そう、「オリジナルチキン」です。これを持ち帰ってご飯のおかずにする文化は、沖縄や南九州の一部を除けば決して一般的とはいえませんが、今回のキャンペーンをきっかけにその文化が少しでも浸透すれば、KFCにとって、それはちょっとした成功ということになるのではないでしょうか。
(協力=稲田俊輔/「エリックサウス」総料理長)
提供元・Business Journal
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