東京・銀座のギャラリー「ART FOR THOUGHT(アートフォーソート)」は、ギャラリー機能の向上および展示内容の充実を目指し、7月14日(金)にリニューアルオープンする。
オープン後の企画第1弾に、徳島の光と影を表現する和紙作家・山浦のどか氏の個展を開催。8月26日(土)までとなっているので、立ち寄ってみたい。
社会で活躍する人たちにインスピレーションを与える
「ART FOR THOUGHT」は、2011年にスタートし12年目を迎えた東京・銀座のギャラリーだ。
今回のリニューアルで、展示スペースの拡大、壁面・照明・音響等の設備面の充実、ECサイトを含めた国内外への発信力の強化、新企画シリーズの展開を行う。活動内容の充実を図り、ギャラリー名称の通り、社会で活躍する様々な人たちの考えや思いにインスピレーションを与える作品を発表する。
同ギャラリーは、より多くの人に、鑑賞体験と作品購入の機会を提供していく。
若手作家を紹介する新たな展示シリーズ
同ギャラリーで新たに始まる展示シリーズ「the foundry(ザ・ファウンドリー)」では、日本の伝統工芸と現代美術を掛け合わせた表現に挑む若手作家を紹介する。
元来、日本美術は生活の道具としての側面も持っていた。生活用品や調度品として季節や思想を部屋に取り入れ、日常をそっと異化し、ふくよかにしてくれるものだった。同シリーズは、繰り返される毎日を豊かに心地よく送るために、そうした暮らしのための実装を現代社会に再提示していく試みだ。
また、同シリーズでは、ECサイトやプロモーションを通して、国内だけでなく海外のアートファンに向けても作品をアピールしていく。
和紙によるやわらかな光
同シリーズの第一弾の展示企画には、四国・徳島県在住の和紙作家・山浦のどか氏の個展「ゆれて、ひかり、おどる、きおく。」を開催する。
山浦氏は、徳島で豊かな自然の光に囲まれながら、和紙工房で制作を続けてきた。
デジタルデバイスやネオンサインといった、人工的な光があふれる我々の暮らしに、和紙によるやわらかな光は、どのように生命感あふれる影を映し出すのだろうか。清涼な光と影の世界を楽しもう。
次回、同シリーズの第二弾には、10月に陶芸作家の清水雄稀氏の企画展の開催を予定している。
銀座は、かつて江戸時代に銀貨を鋳造し生活の潤滑油として浸透させてきた場所だった。日本の伝統技術と現代アートの表現性によって、いまいちど用の美としての日本美術を鋳造していく。そんな静かな挑戦が始まった。
山浦のどか個展「ゆれて、ひかり、おどる、きおく。」
会期:7月14日(金)~8月26日(土)
会場:ART FOR THOUGHT
所在地:東京都中央区銀座8-10-4 和孝銀座8丁目ビル1階
時間:11:00〜19:00(土曜日は17:00まで)
定休日:日、月、祝
(田原昌)
写真:山本哲也