MF成岡輝瑠

2021シーズンはSC相模原、昨2022シーズンはレノファ山口と、期限付き移籍した2クラブで経験を積み、今年の冬に清水へ帰還したMF成岡輝瑠も2023シーズン後半戦のキーマンの1人と言えよう。

前半戦は開幕前の怪我で出遅れ、4月に再び負傷した影響もありリーグ戦出場はわずかに2試合。だが、そのわずかな出場時間でも武者修行の成果とその高い能力の片鱗を見ることはできた。縦へ付ける意識の高さ、出足の鋭い守備、ワンタッチで前を向ける技術、いずれの能力も現在チームが必要とするものではないだろうか。

特にパスによるゲームメイクについては、現状高い創造性と確かな技術でゲームを作るMF乾貴士の負担軽減に繋がることもチームにとっては大きなプラス要素だ。また、昨年山口での活躍を振り返れば、出場試合数はわずか7試合にとどまったものの、その限られた時間の中で3ゴールをマーク。うち1本は綺麗にコースを突いたミドルシュートだった。わずか1本ではあるものの、ミドルレンジから効果的なシュートが少ない今の清水にとっては希望の光に見える。

近い将来、クラブの中核を担える存在なだけに、J2で苦しむチームを救う活躍と成長に期待したい。


清水エスパルス MFヘナト・アウグスト 写真:Getty Images

MFヘナト・アウグスト

負傷により2021シーズンからの長期離脱を余儀なくされたMFヘナト・アウグスト。今季5月3日の第13節徳島ヴォルティス戦で待ちに待ったリーグ戦復帰を果たし、6月28日の第21節ではブラウブリッツ秋田との試合でセンターバックとして後半途中までプレーしている。

これほどの長期離脱からの復帰となれば、当然、試合勘の戻りが大きな懸念材料となるだろう。だが、出場した2試合ではいずれも安定感のある冷静なプレーを見せており、今後さらなる活躍が十分に期待できると言えよう。

本職であるボランチは、今季MFホナウドやMF白崎凌兵、MF宮本航汰が主軸となっているが、対人守備や守備範囲の広さ、純粋な高さなどヘナトが上回る部分も多くある。加えて、機を見た攻撃参加も大きな魅力。屈強なフィジカルを活かした強引な突破やミドルシュートなど、度肝を抜いたプレーの数々を覚えているファンやサポーターも多いことだろう。

センターバックへのポジションチェンジやアンカーとしての起用も考えられるため、秋葉監督になって以降度々見られる試合中のシステム変更にも柔軟に対応できるだろう。また、より攻撃的な選手の投入が可能になることも、現監督のアグレッシブなスタイルを形成する重要なピースと言える。完全復活には多くの時間を要するだろうが、1年でのJ1復帰を実現するためにも、後半戦での復調を願うばかりだ。