スイスの熟練エボーシュメーカーが誇る名機、クロノグラフムーブメント「Cal.175」。ヘメルはこの由緒正しいムーブメントを引き継ぎ、新たな高品質ムーブメント「Cal.ST19」を開発した。
クラシカルでありながらもスタイリッシュなデザインのクロノグラフウォッチを、アフォーダブルな価格で実現することに成功した。
中国に受け継がれたスイスの名機「Cal.175」
1940年、スイスの熟練のエボーシュ・メーカーによって生産がスタートし、その後、数々の一流ブランドや様々な国の空軍正式採用クロノグラフウォッチに供給され歴史上でも名機と呼ばれるクロノグラフムーヴメント「Cal.175」。
その「Cal.175」は、1961年に中国政府からの強い要望を請け、彼の地にて、その製造技術が引き継がれることになる。
数年にわたるスイス側の厳しい技術指導とそれに応える国家的な取り組みの結果、中国は国内で「Cal.175」を継承する「Cal.ST16」を開発するに至り、1965年には正式採用のクロノグラフウォッチとして空軍に供給されることになったという経緯がある。
「HF22 Air Defense」が魅せる、伝統と革新の融合
へメルの新作「HF22 Air Defense(エア ディフェンス)」に採用されている「Cal.ST19」は、その「Cal.ST16」をさらに改良し熟成を重ねた名機「Cal.175」を正統に継承するムーブメントである。
へメルは「実用的でラグジュアリーなプロダクツ」というコンセプトのもとスイス製にこだわらず、かつ由緒正しい高品質のムーヴメントを見出し、クラシカルでスタイリッシュな機械式クロノグラフウォッチをアフォーダブルな価格で実現している。
ヘメルの新作クロノグラフウォッチ「HF22 Air Defense」や既存モデルの「HF The Airfoil」には、ムーブメントとして「Cal.ST19」が搭載されている。
「Cal.ST19」は現在クロノグラフ・ムーブメントで主流となった量産型のカム式ではなく、クラシカルな構造のコラムホイール(ピラーホイール)式で操作性と耐久性を確保。さらにスワンネック緩急装置を搭載して精度を補完するなど、クロノグラフウォッチとして最高レベルの完成度を追求した。
一方その風貌は、文字盤から主張の強いバー・インデックスやポイント・インデックスをなくしたシンプルなアワーサークルとピアノの黒鍵のようなシックな輝きを放つタキメーター・ベゼルで、アウトドアやスポーツなどのシーンはもちろん、ドレスアップされた装いにもマッチする。
気鋭のマイクロブランド・ヘメルならではのスタイリッシュな感性は、時を超える魅力を纏った腕時計となることだろう。
(akihiro takeji)