今なお大変な状況にあるウクライナ。そんな困難な状況下でも舞台に立ち続ける「ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)」の日本ツアーが、全国15か所で開催する。チケットは現在販売中だ。
7月21日(金)より、「Thanks Gala 2023」「スペシャル・セレクション 2023」など、3つのプログラムを上演。日本から劇場に贈られた義援金で新制作された作品も披露される。
国を超えたプロジェクトが実現。話題の作品を上演
今年の5月26日(金)、27日(土)に、キーウにあるウクライナ国立歌劇場で、日本から劇場に贈られた義援金で新制作された作品のプレミア公演が行われた。
披露されたのは、ジョン・ノイマイヤー氏の振り付けによる「スプリング・アンド・フォール」と、ハンス・ファン・マーネン氏による「ファイブ・タンゴ」の2作品だ。
現地では、同バレエ団の新しい試みに注目が集まり、戦禍にもかかわらずチケットは完売。満員の観客から拍手喝采を浴び、同バレエ団にとって新たな一歩を踏み出した歴史的な日となった。
同バレエ団が、世界的な振付家である両氏の現代作品をレパートリーに取り入れるのは、今回が初めてのこと。新制作にあたり、日本からの義援金が制作費に充てられ、作品をレパートリーに持つ「ハンブルク・バレエ団」と「オランダ国立バレエ」も全面協力した。
ウクライナ出身の世界的なダンサーで、今回の日本公演にも出演する「ハンブルク・バレエ団」のアレクサドル・リアブコ氏や、元「オランダ国立バレエ」のアレクサンドル・シャンブロフスキー氏、「ハンブルク・バレエ学校」教師のコンスタンティン・ツェリコフ氏がキーウ入りして、バレエ団に指導を行った。
最新作を日本でも
この2つの作品は、7月から始まる来日公演でも披露される。
「Thanks Gala 2023」で「ファイブ・タンゴ」を全編上演し、「スペシャル・セレクション 2023」では、「スプリング・アンド・フォール」より、2人で踊るパ・ド・ドゥ部分を抜粋して上演する。
ゲストダンサーも出演するアフタートークショー
「Thanks Gala 2023」8月5日(土)の16時公演終演後に、「ウクライナ国立バレエ」芸術監督の寺田宜弘氏のトークショーを開催する。聞き手は、舞踊評論家の桜井多佳子氏だ。
6月に発表されたばかりの2023年冬の来日公演や、日本から寄せられた義援金についてなどを話す。また、トークショーの最後には、同公演のゲストダンサーで世界的に活躍しているアレクサンドル・リアブコ氏とデニス・マトヴィエンコ氏が登壇予定となっている。寺田氏とともに「キーウ国立バレエ学校」で学んだ、3人の思い出にも触れることだろう。
同トークショーは、終演約15分後から30分程度を予定している。同公演のチケットを持っていれば、誰でも参加可能だ。
話題の最新の舞台が観られる、貴重な機会を逃さないようにしよう。
ウクライナ国立バレエ
「Thanks Gala 2023」
日時:8月4日(金)19:00、8月5日(土)12:00/16:00
会場:東京文化会館 大ホール
「スペシャル・セレクション 2023」
日時:7月21日(金)~8月10日(木)
開催地:熊本、福岡、長崎、広島、岡山、大阪、愛知、長野、静岡、福島、神奈川、山梨、埼玉
(田原昌)