富士通ゼネラルが開発したビジネス向けリュック「コンディショニングバックパック」。独自の冷却システムで背中を冷やし、通勤時の汗を軽減する商品です。応援購入サービス「Makuake」で限定販売しているこのリュックを、編集部員の菓子が実際に試してみました。
クーラー搭載リュックとは
同社によると、この「コンディショニングバックパック」は、出勤後に暑さにやられず、汗や匂いを心配することなく仕事を始められるようにしたいという思いのもと開発されました。総合スポーツ用品メーカーのミズノ株式会社が協力しています。
「コンディショニングバックパック」には、あらかじめ凍らせておいた保冷材で対象を冷やす技術「蓄冷熱交換技術」が使われているそうです。保冷材から冷熱を移動させる「冷水循環装置」、移動した冷熱を対象に伝える「冷却シート」が入っています。
富士通ゼネラルの実験によると、35度の環境にリュックを放っておくと、90分以上背面の温度を28度に保つ効果があったんだとか。同社は、「背負うと暑くなってしまったこれまでのバックパックが、“背負った方が涼しくて快適”に変わります」とコメントしています。
まずは背負ってみる
弊社に届いた商品のサンプルを見て、最初に思ったのは、かなり大きいこと。外形の寸法は、横30センチ・奥行き15センチ・高さ48センチのことです。ノートPCやクリアファイル、ノートなどたくさんの荷物が入りました。
続いて、冷凍庫で冷やした保冷剤を装置にセットし、背負ってみることに。富士通ゼネラルが説明している通り、たしかに軽かったですし、肩への負担があまりないように感じました。ミズノの技術により体にかかる圧力を分散し、冷却装置の重さが感じにくくなっているそうです。
冷却装置のスイッチをオンにすると、かすかにブーッという音がしましたが、気にならないレベル。リュックを背負っているときには、まったく聞こえませんでした。
背負うと、たしかに背中がひんやりします。個人の体感ですが、思っていたより少し冷たかったです。
最高気温30度・湿度60%超の都会を歩いてみた
せっかく背負ったからには、真夏の日中に出ていかなくては意味がありません。筆者はクーラーが効いたオフィスを離れ、最高気温30度、湿度60%超の都会を30分ほど歩いてみました。
街に出てみると、日が照り、信号が青になるのを待つ人々は手で目元に影をつくるほど。ジャケットを着ている人はほぼいませんでした。まさか通りを歩いている人は、筆者が背負っているリュックにクーラーが搭載されているとは思うまい……。
実際に歩いてみて感じたのは、背面の気持ちよさ。室内にいたときには少し冷たさを感じましたが、外に出ると、このひんやり感が良い。背中のリュックに全身を預けたくなるような思いを抱きました。
私物のリュックで街を歩いた時と比べると、たしかに「コンディショニングバックパック」を背負っているときの方が暑さを感じません。2~3時間の充電で、連続約2時間使用できるとのことなので、よっぽど遠い場所に行かない限り、通退勤で十分使えます(バッテリーがフル充電の状態で1日2時間使った場合、約36日間連続で利用できるとのこと)。
街中でリュックを背負っている筆者(身長178センチ)。撮影は通行人にお願い
とはいえ、このリュックを背負っていればまったく汗をかかないかというと、そんなことはありませんでした。15分ほど歩いたところで、「あっちぃ」と思わずつぶやいている自分に気付きました。人類を脅かしている地球温暖化に、このリュック1つで立ち向かうのはあまりにも無謀です。こまめな水分補給、適度な休憩などは大切だとお伝えしておきます。