目次
こぶしの漢字表記は違う植物と同じ?
 ・辛夷は中国語だと木蓮を指す
木蓮との共通点と違い
 ・木蓮とこぶしの違い
 ・原産地
 ・木の高さ
 ・花の特徴

こぶしの漢字表記は違う植物と同じ?

春の訪れを教えてくれる「こぶしの花」。名前の由来は「拳」から来た?
(画像=『FUNDO』より引用)

名前の由来から見ても、こぶしは漢字表記すると「拳」になるように思われますが・・・、実際には「辛夷」と表記します。
ところがこの表記、中国では違う植物になってしまうので注意が必要です。

辛夷は中国語だと木蓮を指す

辛夷は中国で木蓮を意味します。
日本でも漢方薬の辛夷(しんい)は木蓮のことを指しています。

木蓮との共通点と違い

では、なぜ中国で木蓮を指す辛夷が日本ではこぶしを指す言葉になったのか。
これは、木蓮が中国原産の木ということに理由があります。

平安時代かそれより前に日本に持ち込まれた木蓮ですが、観賞用ではなく当初は漢方薬として伝わってきました。
この漢方薬の名前が辛夷だったのですが、日本にはすでに同じ効能がこぶしにある、として認識されていました。
そのため、日本原産でより普及していたこぶしを辛夷の代用品としたのです。

そうすると、国内では辛夷が取れるのは木蓮ではなく、こぶしという認識が広まります。
この認識からこぶしの名前には辛夷の漢字が当てはめられたのです。

このような事情から中国で木蓮を意味する辛夷が、日本ではこぶしを意味する、という違いが生まれました。

木蓮とこぶしの違い

こぶしは、前述したようにモクレン科に属しますので、木蓮と似た花を咲かせます。
そこで、区別を付けるためこぶしと木蓮の違いを解説します。

原産地

こぶしの花は日本と韓国を原産としますが、木蓮は中国を原産とする植物です。

木の高さ

こぶしの花は18mほどまで高くなりますが、木蓮は3m~5mほどと比較すると低木となります。

花の特徴

こぶしの花は4cm~5cmで小ぶり、木蓮は8cm~10cmと大ぶり。
咲き方もこぶしの花は斜め上もしくは横向き、木蓮は上向きまたは斜め上向きです。
その色も異なります。
こぶしが白もしくは淡いピンクなのに対して、木蓮は白やピンクの他に紅色や黄色の花も咲かせます。