SA60セリカGT-T
まず、この時代のセリカですがFRです。カリーナも、コロナも、セリカもまだまだFRの時代でして、FFではありませんでした。セリカがFF化されたのは、この後のT16型モデルからとなります。
冒頭でも書いた通り、DOHCかターボかの論争が起きていた時代。セリカはDOHCターボという手段を取ります。それまでの2000ccDOHCに代わり、1800ccDOHCターボ。ご存知の通りターボが得意とするのは高回転域ではありませんので、低回転域から中盤をターボに、それ以上の部分をDOHCに、という任せ方で、最大160馬力、トルク21kgというエンジンを実現しました。
さらにこのエンジンをチューニングし、WRCに参戦。サファリラリー3連覇という記録も打ち立てました。FR最後のセリカにして、ツインカムVSターボ論争に終止符を打つ。そんな魅力的な一台でもあります。
対するスカイラインは?
1979年にセドリックターボが登場し、スカイラインにもターボエンジンが搭載されました。
L20ET型エンジンです。パワーは145馬力、トルク21㎏と、3T-GTEUと見比べて遜色ないスペックのエンジンです。
しかもこちらは、あのL型エンジン。直6エンジン+ターボは、その後日産のモータースポーツを支えたRB26DETTにも通じるものがあります。すでにモデル末期であったジャパンですが、ターボのL20ETを搭載することで、改めてスカイラインの走りのキャラクターを色濃くしました。その後R30型鉄仮面にモデルを移しても、ターボのL20ETは搭載され、GTシリーズとして販売。人気を得ています。ただし、こちらはDOHCではなく、ターボのみでのパワーアップという点も特徴です。
今から考えると、DOHCツインターボでさえ当たり前の時代になってしまいました。当時は1馬力でも多くのパワーを出すために、どのような工夫をするのか、各メーカーが切磋琢磨していた時代です。トヨタT型も、その後ヤマハ発動機製の3Sに移り変わっていきますが、名機として長く(一部では現在も)愛されているエンジンです。不思議に思われるかもしれませんが、スーパーGTがJGTCと呼ばれていたころ、スカイラインはRB26で参戦し、スープラは3Sに乗せ換えて参戦していました。
なんと、2Jではなかったのです。3Tと3Sエンジン、L20とRB26に、直接的な関係性はありませんが、ターボVSツインカム論争のエンジン。その後姿かたちを変えて、長きにわたり日本のレースシーンで活躍していました。不思議ですが、面白い話ですね。
提供元・CarMe
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