この莫大な需要減少を引き起こす価格水準は、経験的な価格弾性値によって計算できる。すると石油価格水準(WTIスポット価格)はバレルあたり200ドルから400ドル、天然ガス価格(ヘンリーハブスポット価格)はMMBtuあたり15ドルから30ドルと暴騰することになる(下図、左が石油価格、右が天然ガス価格)。

IEAはNZEを発表したときに、もう今後は脱炭素に向かうから新規の石油・ガス田への上流投資は不要、などとしたが、その結果、ここ1、2年の世界エネルギー危機を招いたのだ。今後もNZE達成のためとして上流投資を止めてしまえば、またもやエネルギー危機を招いてしまう。
IEAはもともとはOPECに対抗してエネルギー安定供給を図るために設立された組織なのだが、すっかり脱炭素教に染まってしまい、かえってエネルギー安定供給を破壊するようになってしまった。こんなIEAならもう要らない。
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提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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