こうみてくると、トランプ氏の起訴という歴史的にも前例のない措置はトランプ氏を破滅させるという様相よりは、むしろ逆の方向に物事が機能するという展望も浮かばせてきたといえる。民主党がもしトランプ氏を政治的に葬ろうとして、司法機関をこうした方法に動員していたとすれば、その結果、民主党側がかえって傷つくというブーメラン現象も可能性としては生まれてきたのである。

アメリカでも政治はやはり一寸先は闇、ということなのか。

古森 義久(Komori Yoshihisa) 1963年、慶應義塾大学卒業後、毎日新聞入社。1972年から南ベトナムのサイゴン特派員。1975年、サイゴン支局長。1976年、ワシントン特派員。1987年、毎日新聞を退社し、産経新聞に入社。ロンドン支局長、ワシントン支局長、中国総局長、ワシントン駐在編集特別委員兼論説委員などを歴任。現在、JFSS顧問。産経新聞ワシントン駐在客員特派員。麗澤大学特別教授。著書に『新型コロナウイルスが世界を滅ぼす』『米中激突と日本の針路』ほか多数。

編集部より:この記事は一般社団法人 日本戦略研究フォーラム 2023年6月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は 日本戦略研究フォーラム公式サイトをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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