目次
アルヴェルのロールーフ版と思えばアリ?
狭いエスティマにゃ乗り飽きた?初代XL10系(1997年)
サイズアップで安全性も充実、2代目XL20系(2003年)
スポーティなデザインになった3代目XL30系(2010年)
ハイブリッド化で電動化の領域へ、初代XL40系(2020年)
アルヴェルのロールーフ版と思えばアリ?

2022年5月に発売された、初代シエナ発売から25周年を記念する4代目シエナの特別仕様車
2023年は新型アルファード/ヴェルファイアに加え、レクサス版のLMも発売が予想されており、トヨタ大型ミニバンの世代交代が進みそうですが、海外専売の「シエナ」も気になる、という人がいるかもしれません。
現実にはアルファードより一回り大きい全長5mオーバー、全幅ほぼ2m、それでいて今の日本ではすっかり廃れたロールーフのミニバンを、まあグランエースよりは短いし…と求める人は多くなさそうですが、アメリカでなら大人気。
今回は、正規輸入こそ現在は行われておらず、今後も考えにくいものの、並行輸入なら買える「アメリカンサイズならこれでもミニバン」な、トヨタ シエナの歴代モデルをサラっとご紹介します。
狭いエスティマにゃ乗り飽きた?初代XL10系(1997年)

フロント回りが初代イプサムっぽい、初代シエナ
シエナの前身はプレビア、日本名「エスティマ」の初代モデル(1990年発売)で、当時の日本では大きすぎたボディサイズも北米では普通だったものの、ミッドシップエンジンが大問題でした。
床下でうなるエンジンは快適性に難がありますし、限られたエンジンスペースに積める程度の排気量ではパワー不足、それを補うべき新型2ストロークエンジンS2の開発は頓挫し、代わりにスーパーチャージャーをつければ燃費悪化と泣きっ面に蜂。
そんな初代プレビアの反省から、トヨタはオーソドックスなフロントエンジンの2代目プレビアを作って日本(エスティマ)やヨーロッパへ供給しますが、北米では北米ビッグ3やホンダ車へ対抗可能なアメリカンサイズのミニバンを開発したのが、シエナでした。
見た目こそ「大味デザインのでっかいイプサム」でしたが、アメリカではまさにイプサム級のお手軽安価な小型バンですからそれが正解で、後席スライドドア、2列目シートはキャプテンシート(7人乗り)とベンチーシート(8人乗り)を選択可能。
何よりXV20系カムリ(日本では当初「カムリグラシア」として販売)と同じFF車用プラットフォームに3リッターV6エンジンを搭載して、快適性も動力性能も燃費もバッチリ、「北米におけるトヨタ製ミニバンの定番車種」として、順調な再スタートを切ったのです。
なお、初代シエナは全長4,840~4,930mm、全幅1,860mmですから3代目アルファードと同程度の寸法ですから、現在の日本なら大柄ではあるものの、まだ「大きすぎる」というほどのサイズではありません。