これからの季節の釣りでどうにも避けがたい「磯臭いゲストフィッシュ」たち。型の良いものが釣れても匂いで敬遠してしまいがちですが。簡単に美味しく食べる方法があります。

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「ニザダイ、アイゴ、イスズミ」嫌われがちな磯臭いゲスト魚は素揚げで美味しい

夏になると顔を出す「厄介なゲスト」たち

梅雨が明け本格的な夏が始まると、海釣りのターゲットは一気に増えます。そうなれば本命ターゲットが狙いやすくなる一方で、招かれざる客、いわゆる「外道」や「ゲストフィッシュ」も増えてしまいます。

そのような魚たちの中でも、特に望まれないのが「ニザダイ」「アイゴ」「イスズミ」の磯魚3種ではないでしょうか。

「ニザダイ、アイゴ、イスズミ」嫌われがちな磯臭いゲスト魚は素揚げで美味しいニザダイ(提供:PhotoAC)

外洋に面した堤防や磯でしばしば顔を出す彼らは、嫌われ外道の名をほしいままにしていると言えます。これらの魚が水面に顔を出した瞬間、釣り人ががっくりと肩を落とす光景はある意味「真夏の風物詩」と言えるでしょう。

なぜ彼らは嫌われるのか

彼らは磯、堤防、船で行われる様々な釣りでしばしば顔を出すものの、九州でのアイゴを除くと専門的に狙われることはほとんどない、由緒正しい外道魚です。

彼らはメジナやイシダイといった本命魚そっくりのアタリと強烈な引きをみせるため、釣り人の心を惑わせます。加えてアイゴはヒレに毒トゲを、ニザダイは尾びれ付近に刃物のように鋭い突起をもち、非常に危険で針を外すのに神経を使います。

「ニザダイ、アイゴ、イスズミ」嫌われがちな磯臭いゲスト魚は素揚げで美味しいアイゴ(提供:PhotoAC)

そして何より嫌われるのは、その強烈な磯臭さ。個体差や地域差こそあれ、いずれの魚も「打ち上げられて腐敗した海藻」のような匂いを持っており、どれほど良型でも持ち帰らずリリースされてしまいます。その場に打ち捨ててしまうような心無い釣り人も少なくありません。    

それをすてるなんてもったいない!

そんな彼らですが、実は地域によっては美味な魚として食用にされています。

特に沖縄県では比較的人気のある魚といえ、磯臭さはあるもののそれを消す調理法で食べられています。その調理法とは「素揚げ」や「オイル焼き」。

そもそも魚の臭みはしっかり加熱することである程度飛ばすことができ、揚げたり揚げ焼きにするというのは臭み消しには大きな効果があります。当地ではそうやって調理した魚に溶かしバターと醤油、さらにはレモンなどの柑橘類のしぼり汁をかけて食べるのですが、そうすれば匂いはほとんど気にならなくなります。ガーリックオイルを用いればより消臭効果は高いです。

「ニザダイ、アイゴ、イスズミ」嫌われがちな磯臭いゲスト魚は素揚げで美味しいイスズミ(提供:PhotoAC)

素揚げ・揚げ焼きにしたニザダイやアイゴ、イスズミは、プリっとした白身がよく締まり、油との相性も抜群。まるでフライドチキンのような味わいで非常に美味といえます。

もしこれらの魚がかかったら、だまされたと思ってぜひトライしてみてください。

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<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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