田中碧 写真:Getty Images

 日本代表MF田中碧は今月、ドイツ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフに対して今季限りで退団を申し出た模様。プレミアリーグ(イングランド1部)ウェストハム・ユナイテッドやフラムからの関心が報じられる中、現地メディアが同選手のプレースタイルに厳しい言葉を投げかけている。

 田中は2021年に川崎フロンターレからデュッセルドルフへ移籍。2022/23シーズンは序盤から先発での出場機会を確保すると、FIFAワールドカップ・カタール大会(カタールW杯)で活躍した。しかしW杯後に調子を落とすと、今年4月9日のリーグ戦で右膝内側靭帯を断裂。本人は今季中の復帰に意欲を見せていたが、結局先月28日の最終戦に間に合わず、シーズンを終えていた。

 同選手が2022/23シーズン後半戦で本来のパフォーマンスを発揮できなかった要因については、ドイツ紙『NRZ』が今月中旬に「彼はつねにボールを欲しがる。それにボールの扱いが非常にうまい。しかし、ストライカーの背後でプレーメーカーやゲームのオーガナイザーとしての役割を担っているため、負担がかなり大きい」と分析していた。

 そんな中、ドイツ誌『ビルト』は「昨シーズンはクロスプレーがあまりにも多く、スペースを使わないことが多かった。相手ゴールに果敢に向かうのではなく、安全第一だった。ダニエル・ティウーヌ監督はその志向を変えようとしている」と、デュッセルドルフの改善点を指摘。

 田中のプレーについて「彼はクロスプレーが多すぎる。常にボールを欲しがるが、そこから生まれるのは創造的なプレーではなく、形だけのものだ。だからこそ、この日本代表選手は300万ユーロ(約4億7000万円)程度の移籍金で出て行くことができるし、出て行くべきだ」と見解を示している。

 なおデュッセルドルフのマネージングディレクターを務めるクラウス・アロフス氏は今月中旬、ドイツ誌『ビルト』のインタビューで「数週間前、田中は我々に退団の意向を申し出た。彼は1部リーグでプレーすることを望んでいるが、ブンデスリーガである必要はない。彼の目標は常にプレミアリーグ挑戦」とコメント。

 英紙『テレグラフ』はウェストハム、フラム、そしてイングランド2部降格クラブであるレスター・シティからの関心を伝えている。