インテリア書道の専門店「キャレモジ」と「江戸組子 建松(えどくみこ たてまつ)」、「金唐紙(きんからかみ)研究所」がコラボ。7月1日(土)~7月17日(月・祝)の期間、特別コラボ企画展「陰翳礼讃(いんえいらいさん)- 引き継ぐ日本の美」を東京「銀座アポロ昭和館 YOHAKU(ヨハク)」にて開催する。
日本の伝統技術である組子細工と、和紙を革に似せて加工する金唐紙、そして日本の伝統文化である書道が陰翳(いんえい)の中で美しく調和する空間は必見だ。
日本人の美意識が蘇る、企画展「陰翳礼讃」開催
「キャレモジ」では従来の「書道」という概念を覆し、モダンデザインと伝統美を融合させた新しい形のインテリアアートを展開。日本で唯一のインテリア書道・墨アートの専門店であり、渋谷区神宮前のショールームも見学できる。
今回の企画展は明治末期から昭和中期まで活躍した小説家・谷崎潤一郎が論じた「陰翳礼讃」をテーマに、陰翳の中に美を見出した昔の日本人の美意識を追体験できる展示。
江戸組子 建松の行燈がやさしく灯る会場では、キャレモジの書から広がる豊かな情景と、貴重な金唐紙から放たれる優美な色彩を味わえる。
陰翳(いんえい)から美を感じた日本の文化
電灯がなかった時代、庇(ひさし)が長い日本家屋の中は、薄暗い陰(かげ)が多く存在していた。しかし、暗い部屋に住むことを余儀なくされた日本人は、いつしか陰翳のうちに美を発見し、やがて美の目的に沿うように陰翳を利用するに至ったと谷崎潤一郎は論じている。
一方、現代の日本は、夜遅くまで活動するため部屋全体が明るく、陰を感じるということはあまりない。明るい空間では常に神経がたかまり、陰に趣を感じることは少なくなっている。
そこで今回は、まるで昔の日本家屋を彷彿させる薄暗い会場で「陰翳の中に美を発見する」ような体験ができる展示を企画する。
陰影の中で映える、組子細工×金唐紙×書道
会場には、ひとつひとつ細かく丁寧に削った木の部材を組み合わせた日本の伝統的技術である組子細工の行燈が灯される。そのやわらかな光は、繊細な模様と優美な色彩を放つ金唐紙、美しい余白と奥深い書線からなる情景豊かなキャレモジの書を照らす。
それらのすべてが陰翳の中に調和した趣を味わうとき、日本人の美意識が呼び起こされるかもしれない。
古くから伝えられてきた日本の伝統技術である組子細工、西洋から入った文化を大変な苦労によって復元された金唐紙、そして、日本の伝統文化である書道を現代のインテリアとして昇華させたキャレモジの作品。
陰翳を感じる空間だからこそ味わえる、未来へ引き継いでいきたい日本の美のコラボレーションを味わおう。
特別コラボ企画展「陰翳礼讃(いんえいらいさん)- 引き継ぐ日本の美」
期間:7月1日(土)~7月17日(月・祝)
会場:銀座アポロ昭和館 YOHAKU(ヨハク)
所在地:東京都銀座4丁目12-20 銀座アポロ昭和館 地下1階
(hachi)
生活と自然を一体化し、真に風雅の骨髄を知っていた日本人の芸術的な感性を論じたもの