白山

白山は石川県と福井県、岐阜県、富山県の4県にまたがる山であり、日本三大霊場の1つです。
白山を神体山として祀る「白山比咩神社」
「白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)」は、全国に2,000以上ある白山神社の総本社。
豊かな自然に囲まれていることもあり、白山周辺の地域一帯はユネスコ生物件保存地域にも指定されている場所です。
ここは白山信仰によって守られてきた場所で、白山麓には日本の原風景ともいえる光景がいまなお残っています。
山麓一帯が修行登山路である「禅定道」を基軸に互いに結ばれています。
石川県・福井県・岐阜県の三馬場とその禅定道にはそれぞれ社寺や集落が形成されました。
また、山村特有の生活文化が残っていることからも神聖な場所として扱われているのです。
1300年以上信仰を集める「白山信仰」
白山は古くから「越のしらやま」として詩歌でも詠われ、富士山と立山と並んで日本三名山の1つに数えられる山です。
白山から流れる水は四方の川を満たし、人々の生活を支えてきました。
そのため、古代より白山は「命をつなぐ親神様」として、山そのものを神体とする原始的な山岳信仰の対象となりました。
これが白山信仰を支える基盤となっています。
山麓には白山信仰を全国に広めた御師(おんし・社寺へ参詣者を案内・世話することを生業とする人たち)の集落で、かつての美濃禅定道の面影や御師の伝統を残す街「石徹白(いとしろ)」があります。
また、山麓の村々を統轄した集落で巨大な大壁造りの建築物が見られる白峰の街もあります。
白山は永平寺の守護神
曹洞宗の大本山・永平寺は白山を守護神としており、毎年夏には永平寺の僧侶が白山に参詣して奥宮の前で般若心経を読誦する行事があります。
こちらも現代に残る重要な文化として、毎年多くの方が訪れています。
立山

立山は富山県にある日本三大霊場の1つです。
裏参道にある「穴の谷霊場」
立山は古くから立山修験と呼ばれる山岳信仰の山として知られ、霊山や霊場の1つとして信仰されてきました。
古代では立山権現として、平安時代には地獄極楽のある山として、それぞれ阿弥陀信仰と結びついてきたという歴史があります。
中でも、裏参道にある穴の谷霊場(あなんたんれいじょう)の知名度が高いです。
江戸時代末期に美濃国の白心法師がこの地で修行したことで霊場として広まり、修行僧が次々と訪れ「行者穴」と呼ばれるようになりました。
現在もこの霊場に人が集まるのは、昭和30年代にある尼僧が亡くなる前に残した言葉が理由でしょう。
その尼僧は、「穴の谷の御霊水は阿弥陀如来の水なので、この水を飲めば万病が治る」と言い残しました。
この話が広まって以来、穴の谷霊場の湧き水が脚光を浴び、全国から参詣者が訪れるようになりました。