目次
軽自動車が人気の3つの理由
以下の画像は、軽自動車の販売台数のデータです。
参照:一般社団法人全国軽自動車協会連合会(全軽自協)
画像の通り、近年の軽自動車シェア率が上昇し続けており、2023年の1月はここ4年以内の販売台数で最高値を記録しています。
急速にシェアを増やす軽自動車、その人気は一体どこから来るのでしょうか。車が売れないと言われている自動車業界で、今も売れ続ける軽自動車。
その人気の秘密をご紹介していきます。
人気の理由1:維持費の安さ
軽自動車の人気の秘密はなんといっても維持費の安さでしょう。
経過年数に対する重課税とエコカー減税を考慮しなければ、車検時にかかる重量税は2年検査車で6,600円。毎年支払う自動車税は10,800円と非常にリーズナブルです。
その安さは車重1トン超、1.5トン以下のコンパクトカーと比べても歴然です。
名称 | 軽自動車 | コンパクトカー |
重量税 | 6,600円 | 24,600円 |
自動車税 | 10,800円 | 34,500円 |
自賠責保険料(24か月) | 17,540円 | 17,650円 |
合計額 | 34,940円 | 76,750円 |
軽自動車とコンパクトカー(車重1トン超~1.5トン未満、排気量1リッタ―超~1.5リッタ―以下)の維持費比較
上の表を見てもらうと分かるように、軽自動車とコンパクトカーでは、車検を含めると年間で4万円近くも維持費に差が出ます。
軽自動車とコンパクトカーの差が縮み、それでいて維持費に倍近い差が生じるのであれば、軽自動車が人気になるのも頷けます。
人気の理由2:軽自動にもあらゆるタイプのモデルが登場
“軽自動車はセカンドカー”そんな言葉も今は昔。
最新の安全装備や普通車に劣らないスペックを持ち合わせた軽自動車が登場し、“ファーストカーとしての軽自動車”という選択肢が増えてきました。
きっかけとなったのは恐らく“トールワゴン”や“ハイトワゴン”と呼ばれる居住スペースを多くとったモデルの登場でしょう。
大人4人が乗っても全く窮屈さを感じず、荷室も確保されているため、ファミリーから若者まで、多くの年齢層から支持を受けています。
他にもSUVタイプ、スポーツタイプと多くのユーザ―ニーズに応えることができ、人気を後押ししています。
人気の理由3:コンパクトな車体
コンパクトな車体も軽自動車人気の一つです。
車幅が狭く、見切りのよい軽自動車は取り回しが良く、駐車スペースも選びません。
どこでも走れて、止める場所に困らないとなれば、軽自動車の利便性は抜群ですね。
大型化が進む、ミニバンやSUVを都心部や市街地で運転するのは苦労しますが、軽自動車であれば、狭い道でも楽々運転できるでしょう。
それでいて室内空間は普通車と変わらないくらいの空間を確保されているのであれば、人気になるのも納得です。
軽ワゴンの軽自動車の人気おすすめランキング
参照:全軽自協「軽四輪車通 称名別新車販売確報」
軽自動車でも高い人気を集めているのが、ワゴンタイプです。
以前は「トールワゴン」が主流でしたが、近年は車高が引き上げられた「スーパーハイトワゴン」が人気を集めています。
- ホンダ N-BOX
- ダイハツ タント
- スズキ スペーシア
ホンダ N-BOX
ホンダ「N-BOX」は、スーパーハイトワゴンタイプの軽自動車です。
2017年に登場した現行モデルは2代目で、初代の存在感あるデザインを引き継いでいるのが特徴。N-BOXらしさはそのままに、新たなプラットフォームとパワートレインを採用してボディの軽量化と走行性能アップを遂げています。
2021年のモデル改良では、すべてのグレードに対して「オートブレーキホールド付電子制御パーキングブレーキ」を搭載。使い勝手もパワーアップしています。
スペック情報
- 全長(mm):3,395
- 全幅(mm):1,475
- 全高(mm):1,790~1,815
- 車両重量(kg):890~960
- 乗車可能人数(人):4
- 燃費(WLTCモード、km/L):19.0~21.2
ダイハツ タント
ダイハツ「タント」は、2003年の初代登場から「スーパーハイトワゴン」ブームの先端を走ってきたモデルです。車体左側のBピラーをドアへ内臓させた「ミラクルオープンドア」、両側パワースライドドアと先進機能を採用したのが話題となりました。
2019年に登場した4代目では、「DNGA」(Daihatsu New Global Architecture)の技術が盛り込まれており、走行性能や安全性能に磨きをかけて乗る人に安心感を与えています。
2022年の一部改良では、アウトドアでも活躍しそうな雰囲気のエクステリアデザインを採用した「ファンクロス」が追加され、バリエーションが強化されたのも注目です。
スペック情報
- 全長(mm):3,395
- 全幅(mm):1,475
- 全高(mm):1,755~1,775
- 車両重量(kg):880~980
- 乗車可能人数(人):4
- 燃費(WLTCモード、km/L):19.6~22.7
スズキ スペーシア
スズキ「スペーシア」は2017年に2代目へ世代交代を行っています。
2代目では、軽自動車ジャンルでは初のバック走行(後退)時に作動する「衝突被害軽減ブレーキ」を採用したのが話題となりました。加えて、プラットフォーム「HEARTECT」の採用、スーパーハイトワゴンタイプでは唯一となるマイルドハイブリッドシステムをすべてのグレードに搭載するなど優れたポイントが多いです。
また、外観デザインのバリエーションも豊富なのも注目ポイント。ノーマルタイプに加え、スポーティな「カスタム」、アウトドアで活躍しそうな「ギア」と3つのバリエーションから選べます。
スペック情報
- 全長(mm):3,395
- 全幅(mm):1,475
- 全高(mm):1,785~1,800
- 車両重量(kg):850~930
- 乗車可能人数(人):4
- 燃費(WLTCモード、km/L):19.2~22.2
SUV系の軽自動車の人気おすすめランキング
参照:全軽自協「軽四輪車通 称名別新車販売確報」
ワゴンタイプに次ぐ人気を集めているのがSUVタイプの軽自動車です。
以前は、悪路の走行を目的としたクロスカントリー(クロカン)タイプの車種のみが展開されていて選択肢が少ない状況でした。しかし、普通乗用車でSUV人気が白熱し始めたのと同時期で、軽自動車にもブームが波及してきている状況です。
- スズキ ハスラー
- ダイハツ タフト
- スズキ ジムニー
スズキ ハスラー
スズキ「ハスラー」は2013年に登場した、クロスオーバーSUV人気を軽自動車に持ち込んだ車種です。2019年に登場した現行モデルは2代目にあたります。
丸目のヘッドライトと角張ったスクエアボディ、SUV風のスタイリングは直ぐにハスラーと判別できるでしょう。「遊べる・ワクワク・アクティブ」のコンセプトに沿った、日常生活からアウトドアまでどこでも楽しませてくれる雰囲気です。
スペック情報
- 全長(mm):3,395
- 全幅(mm):1,475
- 全高(mm):1,680
- 車両重量(kg):810~890
- 乗車可能人数(人):4
- 燃費(WLTCモード、km/L):20.8~25.0
ダイハツ タフト
ダイハツ「タフト」は、「DNGA」(DAIHATSU New Global Architecture)の技術を注ぎ込んだ第3弾モデルとして2020年に誕生。
注目すべきは運転席および助手席の頭上に備わった「ガラスルーフ」。車内から星空を眺めるのに適したアイテムとして注目されており、すべてのグレードで標準装備されています。
2022年には早くも一部改良が行われ、ボディカラーバリエーションの充実や特別仕様車の発売などが話題となりました。
スペック情報
- 全長(mm):3,395
- 全幅(mm):1,475
- 全高(mm):1,630
- 車両重量(kg):830~890
- 乗車可能人数(人):4
- 燃費(WLTCモード、km/L):21.1~21.4
スズキ ジムニー
スズキ「ジムニー」は、クロスカントリー(クロカン)タイプの軽SUV。1970年に初代が登場して以降、根強い人気で存続し続けている車種です。
悪路走行で活躍する本格的なクロカンSUVですが、2018年に登場した現行モデルは女性からも高い人気を獲得しています。四角い形状のボディが女性から可愛いと思われているのかもしれません。
どのような悪路にでも対応できるよう走行性能に磨きがかけられており、軽自動車とは思えない力強い走りを味わえるでしょう。
スペック情報
- 全長(mm):3,395
- 全幅(mm):1,475
- 全高(mm):1,725
- 車両重量(kg):1,040~1,050
- 乗車可能人数(人):4
- 燃費(WLTCモード、km/L):14.3~16.6
セダン系の軽自動車の人気おすすめランキング
参照:全軽自協「軽四輪車通 称名別新車販売確報」
ワゴンやSUVには遅れをとっているものの、かつてのベストセラージャンルであるセダンタイプの軽自動車も根強い人気を獲得しています。
長年のライバル関係にある車種がシリーズバリエーションの刷新で、激しい販売競争を演じているのが特徴です。
- スズキ アルト
- スズキ アルトラパン
- ダイハツ ミライース
スズキ アルト
スズキ「アルト」は、1979年の初代登場以降「庶民の味方」として日本の自動車業界に君臨してきた軽自動車です。
2021年に登場した8代目は、歴代初のハイブリッドシステム搭載車をラインナップに加えたのが特徴。
WLTCモード燃費は27.7km/L(ハイブリッドシステム搭載車)。車高が引き上げられたことでトールワゴンに近いボディ形状へ変化。車両重量が増えたものの、燃費の良さは変わらずキープできているのは開発の賜物でしょう。
スペック情報
- 全長(mm):3,395
- 全幅(mm):1,475
- 全高(mm):1,525
- 車両重量(kg):680~760
- 乗車可能人数(人):4
- 燃費(WLTCモード、km/L):23.5~27.7
スズキ アルトラパン
スズキ「アルトラパン」は、「アルト」の派生車種として市販されているセダンタイプ軽自動車です。
車名の日本語訳である「ウサギ」をモチーフにしたエンブレムが車体の内外装に取り入れられており、随所で可愛らしさがあります。
また、「自宅でくつろぐ雰囲気」を感じられるインテリアデザインもラパンの注目ポイント。テーブルをモチーフにしたインパネやキルティング柄の内装が、ドライブを楽しくしてくれるでしょう。
スペック情報
- 全長(mm):3,395
- 全幅(mm):1,475
- 全高(mm):1,525
- 車両重量(kg):680
- 乗車可能人数(人):4
- 燃費(WLTCモード、km/L):24.6~26.2
ダイハツ ミライース
ダイハツの車づくりで理念に掲げている「DNGA」(Daihatsu New Global Architecture)を取り入れた原点のモデルが「ミライース」です。
2017年に登場した現行モデルは2代目。安全運転サポートシステム「スマートアシストⅢ」を標準装備しており、初代の強みであった「低燃費」と「低価格」に加え、「安心」「安全」にも配慮しています。
エントリーグレードは80万円台から、装備が充実したグレードでも100万円から120万円程度。低燃費・低価格で安全運転サポート機能がついているバーゲンプライスが魅力です。
スペック情報
- 全長(mm):3,395
- 全幅(mm):1,475
- 全高(mm):1,500~1,515
- 車両重量(kg):650~740
- 乗車可能人数(人):4
- 燃費(WLTCモード、km/L):23.2~25.0
軽自動車の選び方
種類の多い軽自動車は選び方が肝心です。「せっかく購入した軽自動車なのに、思ってたのと違う。」といった後悔の無いように、しっかりと選びましょう。
軽自動車の選び方のコツは以下の順番で決めていくのがおすすめです。
- 使い方を考える
- スタイルが好きな車を選ぶ
- 納期を確認する
順番1:使い方を考える
軽自動車はSUVからスポーツまで幅広いモデルが用意されています。まずは、購入後の使用用途をしっかり考えてから車種を選ぶといいでしょう。
例えば、キャンプによく行く方が、荷室の少ないダイハツ コペンを選んでしまうと“荷物が積めない”といったことになります。
反対にドライブが好きな方が、トールワゴンを選んでしまうと、重心が高く、気持ちの良い走りはできません。
このように、ニーズとその車の得意な部分がマッチしないと満足のいく車は選べません。
まずは軽自動車で何がしたいのか、なるべく細かくイメージを膨らませておくと車選びがスムーズに進みます。
順番2:スタイルが好きな車を選ぶ
自分が軽自動車に乗ってやりたいことをイメージできたら、次は見た目が好きな車種を選びましょう。
せっかく購入する車です。少しでも見た目が気に入った車の方が愛着が湧きますし、大切に乗ろうという気持ちになりますよね?
使用用途も大切ですが、見た目も同じくらい車選びでは大切です。
もし、使用用途と気に入った見た目が一致しなかった場合は、自分や、家族とよく相談して購入する車を探していきましょう。
順番3:納期を確認する
欲しい車が決まったら最後に納期は必ず確認しておきましょう。
軽自動車は大変人気のため、近年の半導体不足もあいまって生産が追い付いていません。
現状では契約から納車まで数か月かかることも珍しくないので、購入前には必ず納期を確認してから契約すると良いでしょう。
どうしてもすぐに欲しいという方は、新古車や中古車といった購入方法も検討の余地があります。
納期があまりにも先になる場合は、納車まで待てるのか、それともすぐに購入する方法を探すのか、このあたりもはっきりさせておくと、無用なトラブルが避けられます。
買ってはいけない軽自動車の条件
車両本体の価格がお手頃で、市街地の細い路地など狭い道路で走りやすいなどメリットが多々存在する軽自動車。しかし、選んだ車種を間違えると後悔してしまうケースも否めません。
この項目では、「買ってはいけない軽自動車の条件」と銘打って、購入するのを避けたほうがよい4つのポイントをピックアップしてみました。
- 車内空間の狭さなど使い勝手が悪い
- 走行性能が低い
- 燃費が悪い
- 安全性能に不安がある
車内空間が狭くて使い勝手が悪い
1つ目は「車内空間が狭くて使い勝手が悪い」です。
軽自動車は製造に関連した「規格」(ルール)により、ボディの大きさやエンジンの排気量が決められています。決まった範囲内で開発を行い、モデルを生産しなければなりません。
車内空間の狭さが顕著なのはセダンタイプの軽自動車で、車高の低さにより後部座席の居住性が悪くなってしまうケースがあります。複数人乗車を前提に軽自動車を購入するなら、車内空間の広さは注目すべきでしょう。
走行性能が低い
2つ目は「走行性能が低い」です。
軽自動車は660cc以下のエンジン排気量と決められており、その分エンジンパワーが低く抑えられています。コンパクトカーやセダン、ワゴンなどの普通乗用車と比較して物足りない印象です。
会社の通勤や近所の買い物が中心の使い方で、1人もしくは2人程度までの乗車人数であれば軽自動車がおすすめです。しかし、3人以上かつ長距離ドライブなどの使用目的であれば軽自動車は不向きでしょう。
燃費が悪い
3つ目は「燃費が悪い」です。
「軽自動車=燃費性能がいい」とお考えの人が多いかもしれませんが、車種の特性や所有者の使用用途によっては燃費が悪化するケースがあります。
エンジン排気量が660cc以下と決まっており、パワーも低く抑えられているのもあって、上り坂での走行性能では苦戦を強いられるかもしれません。山坂道を走る機会が多いのであれば、ターボチャージャーがエンジンに装着された軽自動車、エンジン排気量にゆとりのある普通乗用車も視野に入れるべきでしょう。
安全性能に不安がある
4つ目は「安全性能に不安がある」です。
軽自動車規格に関連してボディサイズに制限があり、衝突事故時の乗員保護に不安を感じる人が多いかもしれません。
1998年に現行の規格へ変更されたのも含め、近年の軽自動車は衝突被害を軽減するボディ構造であるなど性能アップを遂げています。しかし、それでも信用ならないのであれば、軽自動車は適した選択肢ではないでしょう。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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