安倍晋三元首相が「二つの海」構想によって、日米豪印によるインド太平洋構想を提唱して以来、インドの姿勢は変化しつつあるように見える。5月のG7サミットに出席したのは予想外だった。ヒマラヤの高地では米軍とインド軍が共同訓練をしている。

米軍頼みに足らずと独自立国を目指した欧州各国は、米軍に協力する姿勢を明らかにしている。その筆頭はドイツだろう。同国は液化ガスの50%をロシアに頼っていたが、これがゼロになった。原発の開発を決定し、炭素燃料の開発を始めるという。軍事費も2倍以上にするという。ドイツの変身は自由主義と資本主義の強さを示している。

屋山 太郎(ややま たろう) 1932(昭和7)年、福岡県生まれ。東北大学文学部仏文科卒業。時事通信社に入社後、政治部記者、解説委員兼編集委員などを歴任。1981年より第二次臨時行政調査会(土光臨調)に参画し、国鉄の分割・民営化を推進した。1987年に退社し、現在政治評論家。著書に『安倍外交で日本は強くなる』など多数。

編集部より:この記事は一般社団法人 日本戦略研究フォーラム 2023年6月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は 日本戦略研究フォーラム公式サイトをご覧ください。