活動がないターミナルになぜ中国が出費をしてまで維持しようとしているのか?
中国への資金負担が膨らんでいるアルゼンチン政府中国への負債が年々膨らむアルゼンチンにとって、その負債が返済できなくなった時点で中国はこのターミナルの譲渡と交換で負債を棒引きするという狙いがあるように思われる。
現在、アルゼンチンはラテンアメリカで4番目に中国からの融資を受けている国だ。その金額は170億ドルにものぼる。
更に、アルゼンチンは今年に入って、今後3年間中国とのスワップ取引枠を1300億元(183億ドル)に拡大することに合意し、アルゼンチンの外貨準備が強化されることになった。これによってアルゼンチンは中国とは人民元による取引が実施されることになった(6月2日付「エル・パイス」から引用)。
これから先アルゼンチンは中国への依存度がますます高まって行くのは必至である。
米国の牽制勿論、米国はそれに手をこまねいて傍観しているわけではない。中国の宇宙センターを牽制する意味で、米国はネウケン州政府と直接交渉して人道支援センターを建設。表向きはネウケン州に進出している米国企業を保護するのが目的とされ、また同時に自然災害が発生した場合は地元市民への救援活動をするとしている。しかし、当該設備はいつでも米軍兵が駐屯できるような設備になっているという。またヘリコプターの離着陸もできるようになっている。そこは中国の宇宙センターまで車で3時間で行ける距離だ。
更に、今年に入って米国の南方軍初の女性司令官ローラー・J・リチャードソン陸軍大将が2度ブエノスアイレスを訪問してアルゼンチン政府と会談をもった。
これからアルゼンチンは米国と中国による相互の牽制が繰り替えされる舞台となりそうである。