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それでいいのか、どこかで見たような2代目チャレンジャー
バイパーもいいけどマッスルカーはこうだよね!3代目
それでいいのか、どこかで見たような2代目チャレンジャー

別にチャレンジャーに限った話ではないのですが、1970年代半ばから10年ほどアメ車はかなり深刻な迷走に明け暮れ、良くて何のヘンテツもない、最悪の場合はなんだこりゃというヘンテコなデザインのクルマへ、名車の名を冠して恥じない時期がありました。
1977年のチャレンジャーの2代目は幸か不幸か?何のヘンテツもない部類…というより日本のクルマ好きならおなじみ、ギャランΛ(ラムダ)のOEM車であり、「なんでこれがチャレンジャー?」と首を傾げざるをえませんが、当時のアメリカではよくあった話。
逆に1970年代前半の日本では、大型高級車のラインナップ不足に悩む三菱がクライスラーのヴァリアントやチャージャー(ヴァリアント・チャージャー)を「三菱クライスラーシリーズ」として売っていた(もちろん売れなかった)ので、どっちもどっちではあります。
ともかく三菱製2ドアクーペの品質はわかった、ということなのか、ダッジ コンクエスト(三菱 スタリオン)やダッジ ステルス(同GTO)のOEM供給へつながり、三菱としては大いに助かる話でしたが、ダッジ側では何かメリットはあったのでしょうか?
バイパーもいいけどマッスルカーはこうだよね!3代目

1983年に2代目の販売を終えた後しばらくは使われず、おそらくはクライスラーのダッジ部門オフィスで金庫にでも寝かされていた「チャレンジャー」の車名ですが、寝ているうちに世界はめまぐるしく変わっていきます。
クライスラーは1998年にドイツのダイムラー・ベンツ(当時)と合併してダイムラー・クライスラーになったかと思えば、途端に販売不振になったクライスラー部門に見切りをつけたダイムラーは2007年に合併を解消、翌2008年にはリーマンショックで経営危機。
途方に暮れたところで今度はイタリアのフィアットに救われ2014年からFCA(フィアット・クライスラー)となり、2021年にはさらにフランスのPSA(プジョーシトロエン)と合併して「ステランティス」になって今に至るわけですが。
その中で一番ヤバイ時期、2008年4月に「1970年代の名車よ再び」とばかりに発売されたのが3代目チャレンジャーでした。
フォルクスワーゲンのニュービートル(1998年)以来、「現代の技術で復刻した名車」のブームが来ており、アメリカでも古き良きマッスルカーの復刻が流行って、3代目チャレンジャーもそのひとつだったわけですが。
アメ車はやはりアメ車らしくというか、過激なモデルほど昔ながらの大排気量V8OHVエンジンを搭載し、それを現代の技術でブン回し、さらにスーパーチャージャーまで追加するニンニクアブラマシマシ・チョモランマといったアンバイです。
「R/T」や「SRT」といった過激なバージョン名も、そのうち「ヘルキャット」や「デーモン」など物騒な名前が並ぶようになり、最強バージョンの最高出力は800馬力を軽々と超え、2018年型のSRTデーモンなど、「市販車で初めてウイリーできるクルマ」だそうで。
ほかにフロントタイヤをブレーキロックして、空転するリヤタイヤで猛烈な白煙を上げる「ラインロック」機構など、日本車ではありえない過激な装備が平気で並びます。
一般道の走行でそんなものは使わない、そもそもウイリーなんて必要あるのかなんて野暮な話はお構いなし、「これぞアメリカンマッスルカーだ!」という道をどこまで突っ走るのかと思いましたが、2023年モデルでついに生産終了というのは残念な限りです。
今後はダッジ チャージャーのEV版で「eマッスルカーだ!」とやるらしいですが、EUでは合成燃料なら内燃機関もOKだと言いますし、状況さえ許せば案外アッサリとチャレンジャー復活もありえるのかもしれません。
そりゃ地球温暖化対策も大事ですが、「ダッジ」ブランドまでイーロン・マスクの真似事をしないでも…というのが、クルマ好きの無責任な、しかし正直な気持ちです。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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