通貨の換算が問題を起こす一つの原因

 木浦氏は14日にDropbox側から「お問い合わせ頂いた件に関しまして確認し、弊社のミスにより問題が発生しましたことをお詫び申し上げます。また、こちらで適切な返金手続きを行います」との連絡を受けたというが、海外サービスでこうした誤請求の例は多いのか。ITジャーナリストの山口健太氏はいう。

「海外から100倍の金額で請求が送られてきたという事例は、過去に何度か報告されています。Dropboxには日本法人もありますが、サービスの契約先はアイルランド法人です。そのため、世界各国の通貨の違いを考慮した料金請求には慣れているはずですが、何らかの理由でバグが発生し、誤請求に至った可能性があります」

 海外サービスで誤請求が発生する原因は何だと考えられるのか。

「日本では日常的な決済に小数点以下の数字を使うことはありませんが、そうした国は珍 しく、北米や欧州など多くの国では小数点以下2桁まで扱います。こうした国に合わせる と『100円』は『100.00円』となりますが、システムでは整数のほうが処理しやすいため、小数点を省いて『10000』として扱う場合があります。これは『10000銭』といえる状態ですが、日本の通貨には小数点がないものとして扱う別のシステムを通すと『10000円』になってしまいます。また、日本や米国で小数点を表す記号はピリオドですが、これは世界共通ではなく、欧州など一部の国では小数点にコンマを使います。これも通貨の換算で問題を起こす原因の1つになります」

 Dropboxでは、こうした誤請求は他にも発生しているのか、また原因はなんなのか、当サイトは運営会社に問い合わせ中だが、回答があり次第、追記する。

(文=Business Journal編集部、協力=山口健太/ITジャーナリスト)

提供元・Business Journal

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