中国のラテンアメリカに入る玄関ブラジル

中国はブラジルに2007年から2021年の間に200以上のプロジェクトを推進させ、その投資額は700億ドル。2021年だけを見ると、28のプロジェクトをスタートさせ、その金額は59億ドル。(2022年11月30日付「DFSUD」から引用)。

それに続いてペルーに中国の資金が投入されている。現在まで170社以上の中国企業が進出し、その投資額は300億ドル。

そしてチリが3番目に中国の投資が積極的に見られる国である。その対象の多くが資源の開発である。更に。メキシコそしてコロンビアも中国企業がプロジェクトに積極的に取り組んでいる。

そしてアルゼンチンがそれに続くのであるが、同国の経済の低迷と高いインフレが投資の妨げになっている。2021年の中国の投資額は200億ドルであった。

そうは言ってもアルゼンチンは地政学的に最も魅力のある国で、中国は同国に公には宇宙開発センターを設置しており、将来的には中国の軍港を築くことができるようにアルゼンチン政府に少しづつ圧力をかけている。

仮に、軍港を築くようなことになれば、南極へのアクセスも容易となる。勿論、それには米国が反対している。今年は米国の南方軍初の女性司令官ローラ・J・リチャードソン陸軍大将がアルゼンチンを2回訪問している。

米国がラテンアメリカを支配するのに1948年に創設した米州機構(OAS)に対抗して誕生した現在ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)を中国は基盤にラテンアメリカにおける政治的勢力の拡大を図っている。