今の新入社員は自身のキャリアについて、どのような考えを持っているのでしょうか。
今回はマイナビ研修サービスが2023年4月入社予定の新入社員を対象に実施した「2023年新入社員のキャリア意識調査(マイナビ新入社員研修2023 年度 新入社員意識調査)」の結果を見てみましょう。
新入社員が入社時点で自身がすぐに発揮できる力は?
まず、2023年4月入社予定の新入社員に、入社時点で自身がすぐに発揮できる力についてきいたところ、「相手の意見を丁寧に聞く力(45.6%)」、「物事に進んで取り組む力(40.5%)」という回答が多くあがりました。
また入社後に自身が養わなければいけないと感じる力については、「自分の意見をわかりやすく伝える力(37.7%)」、「他人に働きかけ巻き込む力(31.0%)」が上位でした。
社会人生活に対する“期待の度合い”
次に社会人生活に対する“期待の度合い”について、「期待している」と答えた人は前年比2.4pt減の68.3%(「かなり期待している(32.2%)」+「どちらかといえば期待している(36.1%)」の合計)でした。
2019年~2022年の同調査では「期待している」が増加傾向でしたが、2023年では減少に転じています。社会人生活に感じている不安で最も多かったのは、「仕事をうまくこなせるか」で前年比1.9pt減の70.2%。前年に比べ上昇しているのは「上司・先輩・同僚との人間関係」が前年比0.9pt増の58.1%、「やりたい仕事ができるか」が前年比1.1pt増の10.1%で、人間関係やキャリアビジョンに関する不安が増加していることがわかります。
先輩にはどのように接してほしいか
配属後、先輩にどのように接してほしいかを聞いたところ、「優しく接してほしい」が92.4%でした(「優しく接してほしい(52.9%)」+「どちらかといえば優しく接してほしい(39.5%)」の合計)。2021年以降、「優しく接してほしい」と回答した割合は2年連続で増加傾向にあります。
特に、2023年入社の新入社員はコロナ禍では長期的なオンラインコミュニケーションが「ノンバーバルコミュニケーション(表情や目線の機微などで伝わる、相手の感情表現)」を阻害していたことが考えられ、対面でのOJT指導や職場でのコミュニケーションなどで厳しくされることに抵抗があると推察できそうです。