路地裏を散歩するように気軽に海外文学や洋画・洋楽を読み解きながら、シェイクスピア研究者・北村紗衣さんが英語の世界をナビゲートする書籍『英語の路地裏』が株式会社アルクから6月21日に発売。価格は1,870円(税込)です。
路地裏散歩へいざ出発!
本書は、英語圏の良質なカルチャーに触れながら、重要な文化的背景を身につけ、語学として学んだ英語を実際に使いこなすことを目指したカルチャーエッセイ集です。エッセイに加えて、著者自身が作問し解説する「大学入試英語長文問題」を収録。‟路地裏”を抜けて、身につけた実力を確認できる‟広場”を用意しているとのことです。
文化的背景を学ぶ‟路地裏”には、著者が研究するシェイクスピアはもちろん、19世紀末のアイルランドの詩人・オスカー・ワイルド、アガサ・クリスティーの戯曲『そして誰もいなくなった』などのイギリス文学、ティモシー・シャラメが主演したApple TV+のCMや、イギリス・BBC製作のTVドラマ『シャーロック』、イギリスで最も人気のあるクリスマスソングなどが選ばれています。
クリスマスソングが果たしてThe Pogues/Fairytale of New York(ニューヨークの夢)なのか、ということに加えて、筆者が気になるのは、映画『スターウォーズ』シリーズのスピンオフ作品のなかでも高い人気を誇るドラマ『マンダロリアン』で学ぶビジネス英語という‟路地裏”。同シリーズは、「銀河ベーシック」という標準語を登場人物が話す設定。反乱軍がアメリカ英語、帝国側がイギリス英語のアクセントを使っていることはスターウォーズファン以外にも知られています。スピンオフ作品でもフレンチアクセント、オーストラリアとニュージーランドのアクセントなどで話す種族・グループが登場し、語学の視点からも楽しめる作品です。その世界をイギリス文学研究者がビジネス英語をテーマにどのように語るのでしょうか?……なんとも引き付けられるエッセイ集です。
※動画はYouTubeApple TV+公式チャンネルが公開する「Call Me with Timothée Chalamet | Apple TV+」
著者プロフィール
北村紗衣
武蔵大学人文学部英語英米文化学科教授
東京大学で学士号及び修士号を取得後、2013年にキングス・カレッジ・ロンドンにて博士課程を修了。専門はシェイクスピア、フェミニスト批評、舞台芸術史。ウィキペディアンとしても活動している。著書に『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち─近世の観劇と読書 』(白水社、2018)、『お砂糖とスパイスと爆発的な何か─不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門 』(書肆侃侃房、2019)、『批評の教室 ―チョウのように読み、ハチのように書く』(筑摩書房、2021)、『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード ジェンダー・フェミニズム批評入門』(文藝春秋、2022)など。